たろ

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12/12/2024, 1:50:16 AM


【何でもないフリ】


だいたい、無理な話だったのに。
何でもないフリなんてできっこないと解っていたのに。


怒っていない事を伝えたくて、笑顔で対応しようと軽い気持ちで声を掛けた。
「か〜ずまく〜ん。少しお話ししたいんだけど良いかな?」
声を掛けた背中が瞬時に真っ直ぐになって、肩が跳ねるのを眺める。
「ひゃい!」
上擦った返事に、怯えながら振り返る眦が少し潤んでいた。
「和真くん、ここ最近一部の洗濯物の戻りが遅い気がするのですが、何ででしょう?あぁ、こちらは理由が知りたいだけなので、正直に答えて欲しいです。」
焦りと隠したい心理がせめぎ合うのか、物凄い勢いで左右に目が泳いでいる。
「それは、その…。ごめんなさい!隠してました!」
耐えられないのは羞恥か、こちらの視線なのか。視線を外したいのと謝罪の気持ちに圧されて、土下座した相手の旋毛を見下ろす羽目になった。隣に膝をついて、背中と腰の間くらいのところに掌を置く。
「和真くん、ここからは提案なんだけど、良いかな?目を見て話したいから、顔上げて欲しい。」
叱責するつもりは一切ない。むしろ、共有する物として扱えば良いとすら思っている。
「その、扱いなんだけどね…。共有する方がいい?それとも、和真くん専用にする?」
上がってこない頭を戻すでもなく、淡々とどうしたら良いか尋ねる。こうなるとテコでも起き上がらないので、納得するのを待つことにしている。
「ちゃんと返します!ちゃんと洗い直すから!嫌いにならない…で、え?」
大概、使用限界に近い代物の戻りが遅いのだ。買い換えなくちゃなぁ、と言うタイミングで戻って来たり戻らなかったりするので、てっきり適当なところで処分されているのかと思った事もあった。
「そろそろ買い換えなくちゃなぁと思ってたから、後は処分待ち。どうする?」
自分なら雑巾として使えるのでは?等と考えはするが、最適解なのかは分からない。
ただ、有効活用するアテがあるなら、使ってくれればとも思う。
「…え?―――ええぇぇぇっ!?」
食い気味に頭を上げて、こちらに飛び付いて来るのを受け止めつつ、どうするのかもう一度尋ねた。
「和真、声デカい。新しいのが欲しいなら、買うからさ。どうしたい?この際、新調しちゃう?タオル、だいぶ使い古してるし。」
ようやく冷静になれたのか、アワアワしていた相手が、こくりと頷いて座り直した。
「良いの、があったら、新調したい。けど、使いやすいヤツがあるなら、それは捨てたくないから、仕分けて欲しい。です。」
それなら、と落ち着いた相手のスケジュールを確認する事にした。
「早いほうが良い?安売り待つ?どっちでも調整する。」
どんなのが良いかとか、いつ頃までに補充すれば良さそうか、使い古しの振り分けをしながら相談して、次の買い物日を決めた。


もっと大変なものが隠れているとも知らずに。


2024.06.06【誰にも言えない秘密】
 かっちゃん視点。
この日は、ふたりとも休日の為、お互いに腑抜けててポンコツ気味です。
そんな日があったって良いじゃない。
ポンコツ気味なあなたの事も、好きだから。

12/10/2024, 7:34:44 AM

手を繋いで

12/8/2024, 11:17:15 PM

「ありがとう、ごめんね」


いつもセットな気がする言葉。


気を遣ってくれてありがとう
気を遣わせちゃってごめんね

助けてくれてありがとう
手を煩わせちゃってごめんね


ありがとう

ごめんね

表裏一体なのかしら。

12/4/2024, 8:35:30 AM


「さよならは言わないで」

まだまだ、一緒に居るつもりなんだからね!
草臥れた年寄りになるまで、腐れ縁だー!とか言いながらも、生きて行くんだから!

さよならを言うには、まだ早いのだよ。

11/19/2024, 3:34:37 AM


「たくさんの思い出」


大好きなあなたから貰ったもの。
たくさんの人から貰ったもの。
いろいろあって、みんな大切な思い出。
たくさんの宝物。
キラキラしていて、そっと仕舞っておく。
時々、そっとフタを開けると、心を暖めてくれる。

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