『星が溢れる』
凍て付く夜空に、輝く星々。
狩人は猛り、美しき月へと愛を語る。
その物語は、今も語り継がれている悲恋。
古の船人たちは、極星を頼りに夜空へと地図を描き、最果ての彼方を目指したと云う。
命懸けの航海は今もって存在し、前人未踏を更新してきた。
母なる大地を後にして、空へ飛び立った船は、未知なる宇宙を目指して更なる前人未踏を更新すべく、航海を続けているのだ。
星よ、我らを導いておくれ。
日々、憂いと喜びに揺れるちっぽけな私を、どうか笑っておくれ。
宝箱の中から溢れる様な綺羅綺羅しい光で、私を見守って欲しい。
【安らかな瞳】
穏やかで、凪のように揺らぎがない、色素の薄いあなたの瞳。
安穏を浮かべて、こちらを見つめている。
あなたの美しい色の瞳を、吸い込まれる様に見詰め返す。
「…見過ぎ。恥ずかしいんですけど。」
視線を逸らす事など出来ずにいると、照れ隠しの様にふいと外方を向かれてしまう。
「あなたの綺麗な瞳に、目も心も奪われてしまったので。」
わざと仰々しく応えると、耳の裏から首元まで真っ赤に染めて、あなたは小さな抗議の声を上げた。
「…恥ずかしいから、止めてくれ。」
懇願に近い掠れた声と、潤んだ瞳が睨んでくるのを心底可愛らしいと思う。
【ずっと隣で】
あなたに寄り添う、ずっと隣で。
子供の頃は飽きる事なく、ずっと隣で過ごしてきた。
大人になってからの方が、それぞれに仕事があって、距離があるかもしれない。
本当なら、息を吸うように、ずっと隣で過ごしたいのに。
(あぁ。とても、もどかしい。)
息苦しいなんて言ったら、あなたは酷く心配して、きっと甘やかしてくれる。
(ダメ。足を引っ張るのだけは、嫌だ。)
真っ青な空を見上げて、そっとため息を溢した。
※閲覧注意※
それは愛なのか、恋なのか。
綺麗事で済まない何かの話。
色々、彷彿とさせるものがあるかも。
あんまり楽しくないと思うので、嫌な方は回れ右を推奨。
【もっと知りたい】
あなたの事、もっともっと知りたい。
骨の髄まで、指の先や足の先まで、髪の毛の1本に至るまで。
『解体されちゃいそう。』
と言って、あなたは呆れたように笑うのだ。
『痛いのは、嫌だなぁ。』
そう言いながら、あなたは身体を寄せてくる。
あなたを隠すすべてを取り払いたくて、あなたと一緒に融けてしまいたい。
「痛くしないよ。嫌な事も、悲しくなる事もしない。だから、傍に居させて。」
我ながら酷い話だと思う。綺麗事だけで済まない所まで、想いは強く深くなっていく。
「優しくするね。痛かったら、教えて。」
執着なのか、愛なのか、所有欲なのか、わからないまま、あなたの傍から離れたくなくて、しがみついているのだ。
知識欲や好奇心だけではない、不穏な想いも綯い交ぜにして、あなたを知りたいと、煮え返る腸を何とか宥めている。
「愛してる。全部、全部あげるね。もらってくれたら、嬉しい。」
肌を隙間なくくっつけて、あなたを感じていたいのだ。
【平穏な日常】
陽だまりのような温もりと、木洩れ日の下の涼やかさに、似た穏やかさが溢れている。
「幸せだなぁ。」
独りで寂しい想いもせず、大好きなあなたと一緒に居られて、心穏やかに過ごせる。
「しあわせ?今、カズくんは幸せなの?」
隣に居るあなたが、嬉しそうに尋ねる。
「ぼかぁ、しあわせだなぁ。」
往年の名優が呟いた台詞を、真似てみた。
「…幸せなら、良かった。」
あなたは、ピンと来ない様だけれど、嬉しそうに微笑んでくれる。
「かっちゃんが居てくれたら、それだけでいいんだ。」
あなたとふたり、平穏な日々が過ごせたら、それだけでもう幸せ。