明かりを消して手を繋いで微睡んで　いつの間にか夢の中へ

真夜中のテレショップの音だけが小さく部屋で鳴っていた

「遠くの声」

柔らかく暖かく静かに育んでいくはずだったのに

壊されて　独りで生きていくつもりでいた

今は別な人と花を愛でている

「春恋」

こうなりたいと思っていた自分には到底なれていない
タイムマシンに乗ってあの日あの時をやり直したいと思ってももちろん叶わない

これからのわたしとわたしの大切な人たちを
想って描けたらそれでいい


「未来図」

一輪開くまでは長く　散り始めたら一瞬

淡桃舞う空は美しく　雨に濡れれば塵と同じ

　

「ひとひら」

長かった冬がやっと終わり　都会から1週間遅れてやっと桜満開

お花見スポットに初めて二人で行って　少しの屋台や幸せそうな人たちも眺めながらゆっくり歩く

まだ肌寒くて痩せたあなたは寒そうに背中を丸めて　

それでも花はとても美しかった


「風景」