今の記憶を持ったまま自分の分岐点にタイムスリップして
やりたかったこと　やり直したいこと　誰かにやり直して欲しいこと　起こらないで欲しいこと　全部伝えたい

それで今より幸せな未来があるかはわからないけれど

「叶わぬ夢」

あの子は違うから

数カ月　毎日何時間も一生懸命練習しているのに
上手く弾けるのはさも当然のように言われて
自分では満足いかない演奏でも褒めてもらえて

納得していないままステージを降りて
帰りにもらった小さな花束で少しだけ機嫌を直す



「花の香りと共に」

入眠して小一時間　悪夢で目が覚め
ゆっくり息を整えて目を閉じ　また悪夢

暗闇の中目が冴え　漠然とした不安を抱えたまま
朝を迎える


「心のざわめき」

長い間独りで　
孤独から逃れたと思ったらそこも安住の地ではなくて

また独りになって　
それが永遠になるだろうと思っていたのに

それまでの道のりが全て必要なものであなたをみつけるためのものだったと
今は感じてる


「君を探して」

おばあちゃんの家から歩いて3分

待ち切れなくてダッシュして階段を駆け降り
熱々の砂浜をつま先立ちでやっぱりダッシュして

辿り着いた大海原に飛び込みたい気持ちを抑えて
ササッと体操して

やっと潜ったら眼前に広がる非日常


「透明」