君と僕
君と僕
同じになれない
どんなに似せようとしても
僕たちはそっくりになれない
どんなに合わせようとしても
僕たちはぴったりにできない
どんなに分かろうとしても
僕たちは分かり合えない
どんなに思ってあげようとしても
僕たちは間違える
いつもそばにいてあげられるわけじゃない
僕は近くにいれられない
君が悲しんでいても
君が辛くても
僕は君に触れられない
幽霊と人間
同じになれない
終わり、また始まる
終わる
冷たくなる
始まる
あったかくなる
終わる
動かない
始まる
動く
終わる
考えられない
始まる
考えられる
終わる
無表情
始まる
泣く
終わる
喋らない
始まる
声を出す
終わる
気持ちがわからない
始まる
気持ちを理解する
終わり、また始まる
終わり、また始まる
終わり、また始まる
世界はそうやって
命が消え
命が生まれる
バトンを渡して
またリレーが始まる
星
たまに僕は
あの子みたいにキラキラ輝きたい
って思う
たまに僕は
あの子みたいに見られていたい
って思う
たまに僕は
あの子みたいに頼られたい
って思う
でもこれが僕だと
僕は輝く
6等星が1等星になれないし
みんなにもあんまり見られないし
星座にも使われないしね
嗚呼
「この世界は明日終わるんだって」
やっと楽になれるんだ
みんなからの束縛から解放される
嗚呼
こんなに死が嬉しいことはないなぁ
今までよく頑張ったと思うな
死のうと思っても
いつも
お母さんの顔を想像してしまう
でももう楽になって
そんなの考えなくていいんだ
嗚呼
死ぬのが楽しみだ
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「遺書」
家族のみんなへ
私をここまで育ててくれてありがとう
でももう無理になっちゃったから
…私の
…世界を終わらせるね
この命、世界は私自身が終わらせる
泣かないで、私の分まで生きてね
嗚呼
少し泣けてきちゃった…
君と見た虹
君と見た虹
あの時の虹はとても綺麗だった
まるで僕たちを
空へ案内しているかのように
”とても綺麗だった”
君も
うっとりしていた
これまでに見たことのないような顔で
そしてにっこり笑った
「これが笑うってことなんだね」