雪を待つ
雪を待つ
今年も降るように
そうすれば今年も
「あれ」ができるから
「あれ」って何かって?
それは…
とってもすっきりするものよ
嫌いな人のことを忘れられるし
ストレス発散にもなる
でも
雪はすぐ溶けちゃうから
1年に1回しかできない
だから
とても特別
だから
雪を待ってるの
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「今日の午後1時過ぎに雪の中から⚪︎⚪︎さんの死体が発見されました。死体は雪の中に埋められており殺人事件として警察が捜査を続けています。」
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イルミネーション
「イルミネーションを見に来ました‼︎」
「すごく綺麗...」
「⚪︎⚪︎とも観に行きたいな〜」
イルミネーションか...
高校生以来行ったことないな
今度行ってみようかな
「わぁ綺麗...」
あの人もこんな景色を見たのかな
この景色をみてどんなことを思ったんだろう
また見てみたいと思ったのかな
一緒にこの景色を見れる日はあるのかな
私が見るあなたは画面越しにしかいない
あなたがいつもどんなことをしているのか
何を思ってファンに接しているのか
どんなことでもあなたに対する愛は変わらない
あなたに私の思いを伝えられる日まで
私はとびっきり可愛くなってやろうと思う
愛を注いで
ねぇ
私に愛を注いで?
今まで見てきたけど
あなた、
私に愛を注いでくれたことがあったかしら?
ないでしょう?
だから私もあなたに愛を注がなかった
ふふ
私が悪いって?
あなたも
私のことを気にかけてくれたことがなかったくせに
もう私たち終わりね
寂しくないって?
当たり前じゃない
愛をお互いとも、もらわなかったのだから
今更だけど
愛をあなたに注いでほしかったわ
…もう遅いと思うけど
私たち似たもの同士ね
お互いに嘘をついて
お互いに好きにならないようにしてきたもの
…そうね
私たちは
恋人以下友達以上の関係だもの
心と心
心と心
それは
繋がっていてなかなかきれないもの
切ろうとしてもうまく切れない
つながらせようとしても難しい
心と心
それは
とても大切な気持ちを芽生えさせてくれる
友人が悲しんだら友情が芽生えて
友人を元気にさせる
誰かが喜んだら尊敬が芽生えて
その人を嬉しくさせる
心と心
それは
大切な何かで繋がっていて見えないもの
見えないけれど
確かにあって
それは人の感情を豊かにしてくれる
喜んだり
悲しんだり
楽しんだり
怒ったり
色々な感情が
「心」というものに詰まってる
何でもないフリ
「何かあったの?」
「…別に」
また何でもないフリ
もう私にはお見通し
こういう時どう声をかければいい?
「何かあるでしょ!」
「大丈夫?」
「あら、そう」
「話してごらん」
「何でそんな暗いの?」
「………何もないから」
何でもないフリ
バタン
自分の部屋に行ってしまった
また気づけなかった
これで何回目だろう
これでどんどん
あの子は悩み続けちゃうんだろうな
「次の手を考えよう…」
これが何気ない母子の会話