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2/5/2024, 1:46:06 PM

 中学生の時に行われた合唱コンクール。
私は伴奏者として舞台に上がった。
 本番前、大きな声が教室内に響き渡った。
「いくぞ〜お〜!」クラス全員で円陣を組んだ。
 いざ出番。緊張して足が震えた。ピアノはコンクールや発表会で弾く機会が多く、人前で弾くのも初めてではない。しかし、学校という場で、同級生や先生が見ていることを考えると、今まで以上に緊張感が高まった。
演奏開始から数秒後、痛恨のミスだ。練習の時には絶対に間違えることのない箇所なのに。ミスった‥この言葉が頭に残る。それでも音楽は止まらない。止まってはいけない。その後、歌が加わる。私の緊張はなぜかそこで消え始めた。なぜだろう。考えなくとも答えはすぐに出た。一人じゃないから。独奏ではない。合唱なんだから。皆がいる。一緒に音を奏でているのだ。もうこの歌は聞くことができない。全員で歌うのは最後だから。少し悲しくも感じた。だが、本番はそれどころではない。浸っている余裕はなかった。
 自分達の出番が終わるとほっとした。安心した。やりきった。全力を出せた。精一杯気持ちを込めてやり遂げた。それと同時に結果を知るまで再び緊張感が込み上げてきた。
 結果発表。お見事!最優秀賞を取ることができた。本当に嬉しかった。飛び跳ねて喜んだ。皆で努力を重ね、積み上げてきたことが結果に現れてすごく良かった。
 この気持ちの変化を自ずと感じられたのは不思議だ。きっとこのような思い出が心の中に深く残っていくのだろう。この経験をそっと胸に抱いて自分の糧にしていきたい。