春恋 2025.4.15
新しい生活がスタート
右も左も分からない校内
次の授業の教室まで
どう行けばいい?
授業に遅れて
あとから入っていくのだけは避けたい
「迷ってる?」と声をかけてくれたのは
同じ学部で、英語の同じ班にいたような
名前・・・何だっけ?
言葉に出せないでいると
「多分こっち」と歩き出した
あなたから少し離れてついていく
授業が始まる前に到着
お礼を言いたかったけどあなたは友人を見つけ
席についた
優しく低い声が耳から離れない
目を閉じると浮かぶあなたの後ろ姿
春恋が動きだす予感
未来図 2025.4.14
未来図は誰にでも描けるもの
それに近付くために
今、何ができるだろう
未来図を手に
ゆっくり歩きだそう
自分なりの足取りで大丈夫だから
もし未来図をなくしてしまっても
また新しく探せばいい
きっと見つかるから
ひとひら 2025.4.13
川沿いの桜並木
歩く2人の間は
爽やかな風が通り抜けれるくらい
満開の桜や花吹雪が
ぎこちない2人を後押ししてくれ
会話が弾み緊張が溶けていくようだ
なごやかな雰囲気のまま
2人は帰路につく
彼女の髪にひとひらの花びら
最後まで2人のことが気になって
ついてきてくれたのかもしれない
風景 2025.4.12
思い描くのは通学路
高台にある中学校で
町全体が見渡せる
古い町並みが残る地区
世界遺産のお寺の境内の
西門から東門までを通り抜ける
閉門の時間が近付くと
僧侶が声をかけてくれる
五重の塔を背景に
春には桜が咲き
秋には紅葉が色づく
贅沢な通学路だ
君と僕 2025.4.11
君との出会いは駅前の喫茶店
本がたくさん置いてある店で
静かで僕好みの店
コーヒーの香りが漂う店内
君は髪をうしろにひとつに結び
カウンターで優しく丁寧に
ネルドリップにお湯を注いでいる
常連客である僕を覚えてくれたようで
しばしば会話をするようになった
淡い恋心を抱きつつも
今はこの距離感がちょうどいい