好きだよ 2025.4.5
素直でない私がその言葉を
口にするのは難しい
あなたがその言葉を待っていると分かっていても
求められるとはぐらかしてしまう
でも
ふいに伝えたくなる瞬間がある
あなたの横顔だったり、寝顔だったり
あなたの仕草だったり、笑顔だったり
愛しくて触れたくなる時
好きだよと伝えたくなる
桜 2025.4.4
花明かりの公園
満開の桜が夜空を照らす
静寂の中に桜が咲きほこり幻想的だ
夜風が冷たい
風が吹くたびに花びらが舞い落ちる
少しでも長く枝にとどまってほしい
まだ散らないでと願う反面
桜吹雪の美しさと儚さに心を奪われる
あの人にも見せたい
だから散らないで待っていて
君と 2025.4.3
古いカセットテープ
この曲を聴くと君を思い出す
無口で無愛想な君は
音楽の話になるとよく喋る人だった
声が聞きたくて笑顔が見たくて
音楽の話ばかり持ちかけた
いつも聴いているお気に入りの曲を
カセットテープに録音しプレゼントしてくれた
通学中のBGMになった
卒業してからは疎遠になり
カセットテープだけが君との繋がりになった
あの時に聴いた音楽には
君との思い出が詰まっている
空に向かって 2025.4.2
空が好き
空に浮かぶ雲を眺めるのが好き
空を描く
思うように描けなくても
思うような色が作れなくても大丈夫
私なりの空ができるから
休日の朝
春の青空に優しい雲が浮かぶ
絵を描きたい気分
パレットを片手に
空に向かって絵筆を構える
はじめまして 2025.4.1
新しい季節がやってきた
教室でグループごとに自己紹介
「はじめまして」があちこちで聞こえる
緊張して、声が小さかったり
盛り上げようと張り切る子がいて
笑い声の聞こえてくるグループもある
この時間がなんとなく疲れてきた私は
隣に座って窓の外を眺めていた彼に話かけた
彼も小声で共感してくれた
教室を出て中庭のベンチに座る
改めて2人で「はじめまして」の自己紹介
話をするのが苦手だと
言葉を丁寧に選び
ゆっくり穏やかに話す声が心地よかった
さっきの時間の何倍も楽しかった
また今日の話の続きを聞かせてほしい
あなたのペースでいいから