傘を伝う雫が
傘をさす人の
足元辺り
裾を汚す
傘から落ちて
地面で潰れて
裾に飛び散る
それに気づかない
人間たち
愚かだけど
可愛いな。
_ ₃₂
何もいらない
こんな贅沢な言葉
私は言えない
今の自分が
自分にあるものが充分で
手に溢れるほどあるから
もう何もいらない
って言うんでしょ
もしくは
なにかに悩んで
なにかに絶望できたから
何もいらないから死にたい
って言うんでしょ
悩めることが幸せだとかは思わない だけど
死にたいってのも 死ねてないだけで
死ぬきっかけがほしいって望んちゃってると思うんだよ
うちの言いたいこと、伝わるかな 笑
だからつまり
何もいらないなんて
そう簡単に口にしていい言葉じゃないと思うのさ
人生満たされてない人を敵に回すだけ
少なくとも私は死ぬまで
たらればに縋って いろんなもの欲しがる
何も要らないってなるまで
不自由なく生きたいよ。
_ ₃₁
もしも未来を見れるなら
もし見れるんだったら
親の死際を見ておきたい
私の将来は
自分の選択で決まるのだし
運命の人は
運命的な出逢いをするから
運命なのであって
確認することじゃない
私の死際でもいいけど
私の死は突然の方が悲しめる
自分が死んだその先なんて
興味が無い
親の死際を見ておけたら
それまでに私がやるべきことが見つけられる
ありがとうって 嫌でも伝えないとね 。
_ ₃₀
みんなの好きな色は なんだろうか
うちは 黒が1番 落ち着く色かな
色って混ぜ続けると
最終的に黒になるでしょ
てことは 安全地帯だと思うから
あと、
黒って何色にも染まれないから
漆黒の強さっていうか
闇深さっていうかが
すごい好きだから
だから
この世は 色に溢れてていいよ
派手にカラフルでも微妙で曖昧な色でも
色、無いと 何もかもつまらないからね
あなたに会えて 私の世界には色がついた
なんて言葉は、ただの比喩
元からこの世界には色、ついてる
汚く見えるか 美しく見えるかは
たぶんその時の心の状態によるんじゃないか。
_ ₂₉
桜は苦手だ
青空に映える桜も
夜空に映える桜も
雪に添う桜も
雨に耐える桜も
散って舞う桜も
水面に浮かぶ桜も
地面に着いた桜も
踏みつけられた桜も
儚いくせに
ずっと綺麗だから
寿命が尽きても
ずっと綺麗だから
その鮮やかな桜色が
私の目には眩しいから
あなたの美しさには
敵わないんだ
見蕩れてしまって
切ないんだよ
桜が散る季節
それは私が
上を向いて歩ける季節。
_ ₂₈