開けないLINE
お客様の中に天文学者様がいらっしゃいましたらどうか観測してください、あちらに見えますのが地球上に生じる引力です、運が良ければ衛星の祈りが聞こえます、
〈あなたがいなくても私は生きていけるのだが、〉
隕石が落ちてくればいい、ここら一帯を消し飛ばしてくれたらいい、真っ青な晴天に泥を塗ってほしかった、たった一人になりたかった、
〈あなたがいなくても私は生きていけるのだが、〉
あなたと私の間でやりとりされるものは拮抗していなければならないのに、あなたにあげたいものは多くあるのだ、私はそれが許せなかったのだ、だから名もない星を見つけたとき、あなたの名前をつけたのだ。
〈あなたがいなくても私は生きていけるのだが、〉
まだ死んでいない、というだけの生を謳歌していると、僕の細胞が金切り声で非難する、人類の発展に寄与しなさい、できないなら幸福になりなさい。耳から垂れる血が地面に落下するまでの時間で僕はようやく音楽の正体を知った、Hello, Mr. 君が生まれてきたのは間違いだったね、いや設計ミスったのお前だろ。
不完全な僕
必要でないかどうかは関係がなかった、戦闘しなければならなかった、金属片をばら撒いて、銀色の粒子を散らかす兵器にならねば生き抜けないのだ、進め、進め、光り輝く暴風を起こせ。美しいものは人を殺せるから美しい、踏みつけたなら一瞥もくれてはならない、この世にある大抵のものは振りかざせるのだ、残虐でないふりなんか意味がない。
香水
産むならせめてもうすぐ死ぬ星にしてください。最後に爆発したいのです。光の尾を引き墜落しましょう、讃えてください、私の死を。今日は大停電の夜。寝る準備を済ませたら窓を開けて空を見上げてみてください。満天の星は点滅したのち落下します。ぱきぱきと音が鳴ります。君と君が愛する誰かは夜空を見る。流星を見つけキスをする。
言葉はいらない、ただ
紅茶でいいかな。紅茶しかないけれど。
(例えば君を心底嫌いだ、そう言っても君は泣かない、君の魂はぼくなどを見ていなくて、ネモフィラの花畑をどう表現すれば戦争をなくせるか、救世主の姿をどうデザインすればいいのか、といったことを考えており、例えば君を心底好きだ、と言っても君は頬を染めない、なぜなら君はぼくを好きでないから、君の愛の所在は常に不明瞭かつセンシティブ、故に、
故にぼくは黙る、君を徹底的に傷つける力を持たない、ぼくは、多分いま一番哀れだ、紅茶をひとくちずつ飲んでいく、君はまるで生きてないみたい、)
君は綺麗だね。いつまで経っても。
突然の君の訪問。