かりん♮

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2/14/2023, 7:26:04 AM

言葉が降りてくるのを待ってて
1年
3年
あのときはまるで祝福のようにことばが降りてきて
詩の庭にいっぱいの花が咲いた

言葉が降りてくるのを待ってて
5年
10年
あの頃は多くの人と切磋琢磨して詩を磨くのが楽しかったな

言葉が降りてくるのを待ってて
20年
30年
あの時代の詩はひと昔前のきらめきを放っている
けれど今の詩ことばと少し違う気がする

言葉が降りてくるのを待ってて
50年
100年
あの世紀の詩は今はもう通用しない
常識や美しさが異なるように

わたしはいつまで言葉が降りてくるのを待っているのだろう
私自身が変質する前に
今すぐペンを取らなければいけない


#待ってて

2/13/2023, 4:12:22 AM

職員室だけがいつも暖かい学校
その温度管理に異議をとなえる人はいない
だってそこに行くとみんな忘れてしまうから

わたしたちは席替えで暖房の近くになってラッキーだねとおしゃべりをする

中庭をのぞむ教室
ここはどこかの縮図
伝えたいことなんて思いつきもしなかった

雪の月曜日


#伝えたい

2/12/2023, 3:57:52 AM

わたしの2つ隣のカウンターで
おじさんが泣いていた
店員はショットグラスを置いて
あとは
近からず遠からず距離を保った

生きていくには
物語には登場しない脇役のやさしさが必要だ


#この場所で

2/11/2023, 5:49:48 AM

誰だって笑って生まれてはこない

よかったと笑っているのは大人側の人間で
私ではなかった
そこからもう、わかりあえなさは始まっている

あのときの驚き
あのときの恐怖
安住の地を追われたあとの不安
生まれたときの持ち物はそれだけだった

世界中で説かれている
生きることへの正論
そこにかすかな違和感を感じるのは
あの頃の記憶が心の奥深くに残っているからかもしれない


#誰もがみんな

2/10/2023, 5:35:57 AM

花束を渡されるのは
いつもどこかさみしい

おめでとうも
これからもがんばっても
それはつまり
さようならということ

ガーベラやミニひまわりの隙間に
残った人たちの安堵が見える

わたしは美しい花々を持ち帰って瓶に挿した
そして花束がただの花になって枯れるまでを
見届けた


#花束

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