幼くして亡くなってしまったもの
人や動物、植物もいろいろな理由でこの世を去った魂たちが
あちらこちらから やってくる
夜になると
ほのかな光とともに火が灯され
魂たちは輝きはじめる
命があった間の素敵な出来事だけを思い出し、思う存分味わって
さいごは 笑顔で旅立つ
明け方
たくさんの光が
ゆらゆらと 天にのぼってゆく
迷い子の森の ひみつのおはなし。
ぴゅ~~~っと 風が
だいぶ寒くなってきた
「さぁ みんな お気に入りを集めて!」
くまのママが 声をかける
子ぐまたちは
あちこち バタバタ
こちらを ガサガサ
そっちを ゴソコソ
「できたー!」
と一斉に子ぐまたちの元気な声がした
パパにもらったトカゲのぬいぐるみ
バァバにもらった小さなポーチ
ジィジと集めたどんぐりのあたま
ママにつくってもらったあまーいハチミツ
………
たくさんのものに囲まれて
仲良くベットに潜り込む子ぐまたち
さぁて じゅんびばんたん
寒い冬がきても もう大丈夫!
泣きわめく我が子を
私は笑って抱きしめた
約束したから
私たち大人は泣かない と
我が子はまだ幼くて
ようやく歩き始めたあの日
久しぶりに会いに来た彼は
まるで本当の父親のように
一緒に公園で砂遊びをしてくれた
夕方になり 彼は彼の家に帰る
私たちは 私たちのアパートに帰る
泣きわめく我が子を
優しく抱きしめ
公園で過ごした
わずかな時間が
永遠であったら良かったのに
と、おもう。
1年前のハンドクリーム
キンモクセイの香り
使い切れなくてしまってあったんだ
そういえば
あの人と選んだっけ、これ
あの日以来、あの人に会ってないな
海風が冷たい
潮のにおいて顔をしかめる
あの人を思い出すから
あてもなくフェリーに乗り
あてもなくタクシーに乗り
あてもなくバスや電車を乗り継ぎ
ここまできたけど
このあとどうしてよいか分からない
どこにいるのだろう
あの人も私も