母の日に贈るのは
カーネーションじゃなくて紫陽花
植物が好きで手入れを欠かさない
いつも季節の草花が揺れる庭
品種の多い紫陽花を
つぎは何かと喜んでくれた
挿し芽の仕方を伝えては
近所の家々へ分けていたっけ
娘をお嫁に出すような気持ち
愛おしそうにそう言って
母の庭で たくさんの庭で
今年もふんわり色づいているかな
「あじさい」
#444
好き好き大好き
フルーツ大好き
いちごにメロン 桃 葡萄
パイナップルにマンゴー オレンジ
梨も柿もスイカもバナナも
元気ない日も笑顔になれる
季節の恵み フルーツ万歳
…嫌いなもの?
つまんないから考えない!
「好き嫌い」
#443
小さな駅の改札を出ると
駅前にはたこ焼き屋さん
お肉屋さんからコロッケのにおい
花屋さんの知っている花知らない花
本屋さんには必ず寄って
新発売のマンガに雑誌 文庫本
和菓子屋さんのみたらし団子
夏には色とりどりのかき氷
商店街の祭りは賑やか
焼きイカ 焼きそば ヨーヨー釣り
ぼくが大人になる前に
お店はだんだん減ってきた
本屋さんも今はない
あたりまえだったあの風景
思い出だけになっちゃ嫌だな
「街」
#442
できない理由がもやもや浮かぶ
仕方ないって思えばラクかも
だけど人生100年あるとも限らない
草の上の露 手のひらの雪
いつとも知れぬこの身なら
やりたいことがあるんなら
できない理由を潰していこう
Do what you have to do,
to do what you want to do
「やりたいこと」
#441
寒い夜は 仲間と身を重ね合って眠る
身体が冷え切ってしまうから
体温が上がってからでないと動けない
朝日が昇って数時間 その温もりの中にいる
その間も空から目を離さない
天敵の鷹に子が狙われるから
冷たい海に潜って海藻を囓りとる
身体が冷えたらまた岩場で日光浴
光がよく当たるように向きを変え
目を閉じて 背中いっぱい陽を浴びる
ウミイグアナは恐ろしい姿だって?
威嚇するけど鼻から塩水とばすだけだよ
ぬくぬく好きで物静かだよ
「朝日の温もり」
#440