上履き袋に体操着
お道具箱に防災頭巾
もちろん背中にランドセル
黄色い帽子の1年生
「よこせよ、持ってやる」
ふたつ上のお兄ちゃん
「オレはめっちゃ力持ちだから」
「こんなの小指一本で持てる」
えっ、そうなんだ!
お兄ちゃんてすごいんだなぁ
そう思ってたけど
すごく、優しいんだった
「何気ないふり」
#376
じぶんの人生、
ハッピーエンドになるまで
何度でも 間違えて間違えて
何度でも 書き直したらいい
「ハッピーエンド」
#375
「ね、私ってどんな人間に見える?」
「うーん そうだね…」
友は手にしていたカップを置くと、目を細めて
口を固く引き結び、じっと私を見つめる。
「肌ツヤ良くて健康的だよね。夜遊びとかしない感じ。コンタクトだから視力は弱くて実は読書家あるいはゲーマー」
「清潔感があって人を不快にさせる要素はないかな」
「服装やメイクはもっとフェミニンな感じにしたほうが似合うしウケ良さそうだけど、そういうの嫌いで敢えて、なんだよね」
ぺらぺらと矢継ぎ早に捲し立てる。いや…そういうのじゃなくてさ…なんていうのか…
「育ちも良さそうで人当たりもいい。でもやや内向的で繊細で対人関係には臆病か?」
あーもう!
「違うよ!そんな分析しなくていいんだって!
フワッとでいいのに!クールとか知的とか…オシャレとかミステリアスとか…雰囲気よ!」
「…なるほど。パッと見の雰囲気というのなら…いま自分で言ってたやつの正反対かな!」
そう言うと笑って肩をすくめ、残りのコーヒーを飲んでる。残念やら悔しいやらそれなりに納得やら…。
ま、長い付き合いで私のことよくわかってくれてるよね。私のほうが自分のことわかってなくて、
目指す自己イメージとはズレまくってるんだな。
はぁ。自分で自分を見つめ直さないと…。
「見つめられると」
#374
一日に10万回 80年なら30億回
休むことなく収縮を繰り返し
わたしを生かしている
愛の言葉やハートの記号は世界に溢れ
浮かんでは消えていくけれど
ほんとうの愛は
心臓とおなじように
疲れも倦みもせず
黙々と力強く
ひとを動かし続ける
「My Heart」
あの星に 手をのばして
届かないずっと遠くへ 心を飛ばして
はじめから諦めないで
ないものねだりしようよ
望んでいるもの、
思いがけずにその手は届くから
「ないものねだり」
#373