パン屋にカレー屋、居酒屋蕎麦屋
どれも他店の追随を許さないレベルの
味と雰囲気のお店たち
それがここ数年で次々と閉店してしまった
好きな店を失うのは心にダメージがありすぎる
味への信頼 通いやすさ 混み具合
店主の程よい距離感 客層の良さ などなど
あそこに行けば間違いない
日替わりも新メニューもハズレなしの安心感
いつでもそこに待っててくれる
会いたい時にいつでも会える
親友、いや、もはや恋人とも言うべき存在
美味しい幸せな思い出が胸と胃袋を締めつける
もう失いたくないお気に入りの店たち
できる限り足繁く通い、
五つ星レビューをどんどん投稿して応援する…
できることはそれくらいしかないけれど
どうか末永くお付き合いさせて頂けますように…!
「お気に入り」
#335
誰よりも浅い眠りで時を知り
ぽっ、とほころぶ梅の花
ここからそっと春がはじまる
「誰よりも」
#334
「明日あなたに告白する子にYESと言って付き合いなさい」
水色の便箋に妙なことが書かれていて、
その下には「私は10年後の君です」だって。
いたずらか。誰も俺に告白なんかせんわ。
ラブレターか果し状ならわかるけど、靴箱に
未来の自分からの手紙って設定変だろ。
ところが翌日(バレンタインデーだよ)本当に、部活の元気な後輩の子からチョコと本物のラブレターを受け取り、その場で反射的に「YES」と言っていた。感じのいい子だと思ってはいたけど、ほんとうなら驚いたり迷ったりするとこだよな。
昨日の手紙のことなんて言うと変な目で見られるから言わない。
そしてキャッキャしたり小さな喧嘩したり仲直りしたりの楽しい日々。幸せだなぁ。
あの手紙は本当は誰からだったんだろう。
①後輩本人
②後輩を応援する友人
③本当に10年後の自分
①か②あたりじゃないの、って今は思ってて本人に聞けばいいじゃんて話なんだけど聞けずにいる。
何かね、筆跡がね、、俺の下手な字そっくりだったんだよ。だから10年後に何が起こるのかちょっと気になるわけ。
10年くらいで過去に手紙送れる技術とか開発されてんのかな?そんなの必要か?新技術といえば軍事目的?それとも少子化対策?
俺にとっては良かったからいいんだけど。
10年後を楽しみに暮らすのも悪くないよな。
「10年後の私から届いた手紙」
#333
マンションの管理人さんは
少し強面のおじさん
愛想が無くて口も荒い
ちょっと敬遠されがちだけど
子どもたちには優しく陽気
よくみんなに取り巻かれてる
バレンタインの日
幼稚園児たちが思い思いの贈り物をした
紅潮した頬で強面もどこへやら
照れ臭そうにボソッと「ありがとう」
「喜んでたね」「赤くなってたよ」
子どもたちも嬉しそう
ホワイトデーにはお返しだと言って
駄菓子を配ってくれた
その後程なくして病に倒れたと聞き
復帰を待っても戻ることなく
あれから10年以上
大きくなった子どもたちと
バレンタインデーのたびに
なつかしく思い出す
「バレンタイン」
#332
待っててね、って言わないで
まるで宇宙にひとりきり
一緒に行くよ、置いてかないで
「待ってて」
#331