A kiss is still a kiss
A sigh is just a sigh
時が過ぎて時代が変わっても
恋の基本はおなじ
As time goes by
ピアノと甘い歌声が聴こえてくる
「kiss」
#322
百年も千年も前の大工と語り合うように
また
百年も千年も後の大工のことを想像しながら
毎日の仕事をする
千年前の建造物を修復する宮大工の方の言葉
だったと思います
自分の仕事を死後千年も残す気概でする
その心意気に憧れます
「1000年後も」
#321
勿忘草の青がすき
滲んだような優しい青
つぼみのピンクが青く咲く
すぅっと伸びて
ぽぽぽぽ、と咲く
はにかみ屋のかわいい子
「勿忘草(わすれなぐさ)」
#320
ブランコをこぐことができない。
街の公園にある、普通のあのブランコだ。
膝を伸ばして前に揺れ、膝を曲げて後ろに退がる。みんながやってるのを見ればやり方はわかるけど、同じにやろうとしてもうまくいかない。鎖につかまり、お尻を台座に押し付け、えいっと膝を伸ばす。
びよょん。動かない。
曲げ伸ばしのタイミングが、とにかく悪いのだろう。
どうしてみんな、特に何も考えるでもなく自在に操れるんだ?タイミングを考えれば考えるほど身体がこわばって鎖がガチャガチャ音を立てるだけだ。
ブランコがこげない奴なんか他にいない。ブランコなんてつまんないよと嘯いて、ボールを蹴ったり木にぶら下がったりして遊ぶのが常だけど、ブランコが目に入れば心がざわつく。
公園に誰もいない時に1人で練習することがある。誰もいない公園で1人ブランコをこぐ(こげてない)図はいかにも寂しげだけど、寂しいとかじゃない。必死だ。
ある日同じ年頃の子がやってきて公園の反対側の鉄棒にとりついた。ブランコに座って考え事してるだけという風でチラと見ていると、逆上がりの練習を始める。できてない。
体育の授業でブランコのテストは無い分こっちは気楽かもな、と思いながら足を曲げ伸ばしてはキイキイ金属音を鳴らしていた。
なーーーんでうまく行かないかなぁ、、、
その時突然、ふわぁっと前に大きく揺れた。おおお!
そのまま大きく後ろに揺れる。おおお!
また前に戻る時、誰かが背中を押してまた大きく揺れた。鉄棒の子だ。向こうもこっちを見てたんだな…。繰り返し背中を押してくれて、伸ばす、曲げる、と言う声に従って足を動かす。何かぎこちないけど、揺れが気持ちいい。でも、自力でやろうとするとやっぱりダメだ。
互いに逆上がりのお尻を支えたり、ブランコの背中を押したりする日がしばらくあって。どうしてもお互い自力じゃ出来ないこともわかってきた。でも絶望感とかはなくて、なんだかこのままでもいいじゃん、て気持ちになってる。背中を押してもらえる嬉しさと、お尻を支えてあげる楽しさと、出来ないことも笑える心地よさで気分がいい。
そのうち出来るかもしれないしね!
「ブランコ」
#319
やっと辿り着いたその先に
何が待ちうけていようとも
願ったものが 何も無かったとしても
握りしめていたものが 全てこぼれ落ちても
それでも
いい旅だったと思えるような
日々を 一歩一歩を
「旅路の果てに」
#318