9/10/2023, 11:16:05 AM
世界から
色が無くなること
音が無くなること
温度が無くなること
足元が定かでなく
景色に奥行きがなくなり
痛みも喜びも感じない
どこからか
血が流れ出ていて止まらないこと
「喪失感」
#218
9/8/2023, 11:09:45 AM
胸の鼓動は電気信号
ピッと発信 ドクンと一回
食事はするが充電不要
こんなに精工 こんなに不思議
神さまを創った人間だけど
人を創れるのはやっぱり神か
思い描くと楽しい
マニアックすぎる神さま
「胸の鼓動」
#217
9/7/2023, 11:00:07 AM
泳げないカマキリが
踊るように池に飛び込むのは
群れから離れたアリが
葉に顎を突き立てて事切れるのは
寄生され操られているのだという
破滅への道と知りながら
歩みを止められずにいるわたしたち
何ものかが寄生しているのかな
「踊るように」
#216
9/6/2023, 10:48:18 AM
丘の上の聖堂で鐘が鳴る
礼拝の時を告げる鐘
丘を中心に輪となって
静かに響き渡っていく
粉雪の舞う白い町で
鐘の音は柔らかく地に染みていく
僧侶の祈りを思いながら
雪をゆっくり踏みしめて歩く
鐘の音と共に ひと足ごとに
祈りが世界に染み渡っていく
どんなに風が冷たくとも
「時を告げる」
#215
9/5/2023, 10:18:01 AM
その あまりにも柔らかな身体を
まもるため身につけてきた殻
時に隠れ 時に閉じこもり
時に半身を乗り出してみたり
柔らかいことは弱さか
殻をまとうことは逃避か
そんなはずはなく
ただ全て わたしであるだけ
わたしの殻は美しくかがやき
優しく海の音を響かせる
「貝殻」
#214