NoName

Open App
2/29/2024, 6:32:30 PM

「列車に乗って」


列車に乗って旅に出る。どこへ行こうか。
行き先を決めずに出発するのも面白いかもしれない。
高い所は苦手で飛行機は乗れないが、
列車や船なら日本全国どこでも行ける。

いつか話していた(死別した)元カレの地元にでも
行ってみようか。

僕らは同性同士で結婚は出来なかったけれど、
お互いを想い合っていたのは事実だし、
現に両家公認でもあった。

「向こうの親御さんに話したら快く受けてくれるだろうか…」

そんなことをぼんやりと考えながら荷造りを進めていた。



                  立花馨

2/29/2024, 9:16:01 AM


「遠くの街へ」


「なに浮かない顔してんの? 心ここに在らずって感じじゃん。何か悩みでもあるなら聞くよ?」

教室の窓際でボーッとしていると同級生の翔(カケル)が話し掛けてきた。聞くに魂が抜けた様に見えたらしい。

「悩みって程じゃないけど……」
「ないけど?」
「来週…引っ越すんだ、親の仕事の都合で九州に。…まぁ僕ももう高校生だし、ついて行くかどうかは自由に決めていいって言われてるけど、どうしたら良いか分かんなくて…」

憂鬱に溜め息をついていたら、唐突に頭を撫でられた。

「どっちを選ぶにしても、後悔しない方にすれば良いんじゃない? 俺としては仲良いヤツが行っちゃったら、ちょっと淋しいけど」
「こっちに居る方が、楽っちゃ楽なんだよね。翔はさ、付き合い長いし僕の事をわかってるから、僕を女の子扱いしないじゃない」
「まぁ、小学校からの仲だしな。話してて女子を相手にしてるって感じしないのが率直な感想かな。あと単純に気が合う」

家族にはカミングアウトしてないし、言い訳するのも面倒だから女子用の制服を着ているが、身近なところで話しているのは翔だけだった。

「まぁ…もう少し考えてみるよ。答えが出たらまた報告するね」
「了解、気長に待ってるよ」

そんな話をしながら休憩時間を終えた。


                 立花馨

2/27/2024, 1:54:20 PM

「現実逃避」

逃げたい時は誰にだってあると思う。

僕も一時期、めちゃくちゃ現実逃避してた。
それでも君が『どれだけ悩んでいても、明けない夜はない。後になって向き合う勇気が持てれば、一時の現実逃避も悪じゃない』と言ってくれたお陰で、僕の心も少し軽くなった。

学生時代だけの付き合いだけど、
君はいつも僕の隣りに居た。
君は僕にとっての太陽だったよ、ありがとう。



                 立花馨

2/26/2024, 9:14:03 PM

「君は今」

君は今、どこで何をしているのだろう。
君はいつも“自由”について問いていたが、確かに自由というものへの疑問はずっと持っていた。

どこからが、或いはどうなれば自由と云えるのか。
例えば…、就職して親元を離れたら?それとも何かしら引退(か退職)をして余生に費やす事になってから?

いくら考えても答えは出ない…。


この世に、人生に、本当の自由なんてあるのだろうか…。


                 立花馨