そら豆

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10/21/2025, 10:07:56 AM

なんかね感じるの。私あなたと別れちゃうんじゃないのかって。あなた私のこと見てくれないし、他の女の子に目がいってるから。ねぇどうなの?私何が足りないんの?別れたくないけど、素っ気ないし。あなたの考えてることが分からないの。もう続かない。私は捨てられるんだ。少し前から感じてた。付き合って間もない頃のあなたはもういない。私に向かって愛してるって言ってくれたあなたはもういない。嫌な予感がする。予感だから分からないけど。でも、あなた、変わったよね。
私なんかいらないみたい。
ラインノ通知が鳴る。
「別れよう」
って。

10/20/2025, 1:13:52 PM

キミは一人なんかじゃない
くよくよしたって変わらないよ
一人で全て悩まないで
キミにしかできないことだってあるんだ
周りを見てごらん
たくさんのキミを支えてくれる友達がいるじゃないか
泣いてもいいし逃げてもいい
今できることを頑張って
たくさん遊んて寝て食べて
明日もきっと笑えるように

10/19/2025, 1:54:12 PM

「あなたがいなきゃできないの。」
シンガーソングライターの真雪は幼馴染の健に頼む。
「なんでおれに言うんだよ?」
建は、真雪に聞く。真雪は少し言葉に詰まる。
「だって、そのあなたが言ってくれたじゃん。あたしにできるって。」
「あれはな、別に俺を誘えなんて意味では…」
真雪は声が大きくなる。
「でも、あたしに音楽を教えてくれたのはあなたじゃないの。あたし建がいなきゃこの道になんて進んでない。」
真雪は続ける。
「何か足りないの。恋の歌でもあたし一人じゃ完成してない。」
「どうしろっていうんだよ。俺が歌えって言うのか?」
建は少し顔をしかめる。歌ったのなんて何年前のことだろうか。お前と一緒にからおけにいったのは。なんでこんなに必死なのだろうか。確かに、才能があるといったのは俺だ。音楽を教えたのも俺だ。あいつ弱気だから自分で決めれないと思って背中を押した。確かに一度は夢を見た。歌手になってやろうって。でも、思ったより単純ではなかった。大きな壁にぶつかり挫折した。もう音楽は諦めようと違う道を歩んだ。なのにこいつは、
「あなたこそ、夢を見てたでしょ。ステージに立って歌う夢を。なんで諦めたのよ。歌詞も曲も良かったのに。あたしの曲なんてあなたに届かないんだから。」
真雪は下を向く。目には薄く涙が浮かんでいる。
建はどうしたらいいのかわからなくなり、たちつくす。
「この曲を聴いて。何か足りないの。歌詞と曲はいい感じなんだけどね。寄り添ってくれる歌声がほしい。追いかけて背中を押してくれる声がほしい。一人じゃないって伝えたいけど、一人じゃ何か違うの。だから、だから建に助けてほしい。」
何処かで聞いたことのある歌詞。
(どうしたらいいのか分からなくなってしまった
一人じゃ不安です一歩すら踏み出せずうずくまってる
その時不意に掛けられた優しい声
あなたならできると言ってくれた
そんな君の声でいまの私がある
胸張って高々に歌えるのはきっと君のおかげ
うまく自分見つけられた私だから言える
君が明るい未来を紡いでくれた大切な人)
俺のことか?建は頭をかしげる。
「なぁ、これってお前のことか?」
「あなたに助けられたあの頃のあたし。今でも弱虫なのは変わらないけど、いつも感謝してる。だからさ、
優しい声で追いかけるパートやってくれない?もう一度背中を押して。」
「ったくしょうがねぇな。やってやるよ。」
真雪と建はレコーディングを始めた。
そして、その曲は破竹の勢いで売れ、数々のランキングを取った。
「建、ありがとう。やっぱり頼んでよかった。」
「別になんもしてない。」
建は照れくさそうに答える。
「ねぇ、あたしと組まない?」
真雪は、建に聞く。
「どうしたんだよ?」
「せっかく、再会したし、この前の曲も成功したじゃん。だからその、」
真雪は覚悟を決める。
「あたしと付き合って。」
「なっ…」
急な告白に建は顔が赤くなる。
「あの頃からやっぱり気になってて、きゅうになるけと、返事をください。」
建はゆっくり口を開ける。
「いいぜ…アーティストとしてもカップルとしてもずっと一緒にいる。」
「ありがとう。」
あの頃支えてくれた君、歌へと紡いてくれたこと、そしてあたしと紡いてくれたこととても感謝しています。
どうか、末永くお付き合いお願いします。

きみが紡いてくれた歌

10/18/2025, 10:18:28 AM

まだ暗い時間に目が覚めた。もう1回寝るのが面倒だったのですぐに起き上がり、カーテンを開ける。先ほどまで雨が降ってたのだろうか、地面が湿っている。薄く霧かかっ空を見ながら朝日を待つ。鳥のさえずりが聞こえてくる。しばらくすると太陽が昇って来る。周りを照らしゆっくりと昇って来る。その光があ霧を切り裂くように差し込んでくる。霧と光の間に神秘的な何かを感じる。早起きはするもんだな。と思った朝だった。

10/17/2025, 12:57:02 PM

僕は本を読むのが好きだ。放課後は予定がない日は、いつも図書室に行く。そこにある砂時計をひっくり返し静かな砂の音を聞きながら本を読むのが心地よく、何度も繰り返す。
いつも通り僕が本を読んでいると、隣のクラスの女の子が図書室に入ってきた。
「と、となりいいかな?」
中野桃香だった。いつも静かでおとなしくあまりぱっとしない印象だった。
「いいよ。」
僕は本から目を離さないで答えた。桃香は、
「ありがとう。」
と、いい僕の隣に座った。そして、カバンの中から文庫本を取り出し、それを読んでいた。
しばらく沈黙が続く。砂時計の音が僕の耳に届いてくる。もう10月。だんだん紅葉が始まるころだ。突然桃香が僕に話しかける。
「中野くんは、なんでいつもここにいるの?」
「別に、理由はないよ。」
「ふーん。」
ふと、横を見ると桃香は不思議そうに僕を見ている。
「なんだよ」
「何もない。」
桃香は、何もなかったかのように読書を続ける。
初めて、こんな近くで話している。いつも座っているだけだからあまり話したことなかったけどこんな感じなんだ。桃香の顔はかなり整っていた。僕は初めて胸の高鳴りを知った。
「どうかしたの?」
「なんでもないよ。」
僕は焦って本に視線を向ける。
「中野くんはなんで本が好きなの?」
桃香は、また、質問をしてくる。
「普通に生活してるだけじゃ経験できないことをみせてくれるからかな。異世界物とか、色々な青春とか見れるし、僕を成長している感じかするんだ。」
「そんなこと考えていたんだ。」
桃香は言葉を続ける。
「中野くんって、しっかりしてるよね。私、ここまで話してて面白いって思ったの初めてかも。」
僕の中で何かが跳ねた。
「急になんだよ。」
「ち、違うよ!そういう意味で言ったんじゃ…」
顔を赤らめ、桃香は訂正している。
それが面白く、つい笑ってしまった。
「ハハハ。」
「な、なによ。」
「何もないよ。」
「また、話にきてもいい?」
「別にいいよ」
桃香は、早足で図書室からでていった。
いつのまにか、砂時計は止まっていた。
あれからというもの、僕らは、毎日のように話していた。僕は、少しずつ桃香に惹かれていた。話してて面白い。なんて言われたことなかった。
そして、ある日の放課後。また本を読んでいると。
「中野君!しおりいる?」
桃香は、僕に聞いてきた。
「ほしい。」
僕は即答で答えた。
「私今日予定あって今日は話せないや。」
「いいよ。気にしてくれてありがとう。」
僕は、お礼を言う。
「じゃあこれ渡すね。」
桃香は僕にしおりを渡した。
「バイバイ!」
「バイバイ!」
僕はしおりを見た。
そこには、リナリアの花が印刷されていた。
「リナリア?確か花言葉は…」
図書室の砂時計の音がより大きく感じられた。

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