6/16/2024, 3:45:22 PM
1年前。
高校2年生の私はなにも考えていなかった。
勉強は疎か、出席すら留年ギリギリまでなら
と随分と舐め腐った生徒だったと思う。
テスト終わリには筆箱すらまともに触らずに
友達と以下に遊び時間を溶かしていた。
お小遣いもノートに使ったことはなく、
殆どはコスメやカフェ代。
とても楽しかった1年前だった。
今現在、金欠だった財布には使われない
お小遣いが膨らんでいる。細部まで気にしなくなった
前髪をピンで止めて、筆箱と常に共にすごしている。
来年の今頃、新しい服を身にまとって
「1年前の自分は、とても頑張っていた」
と言うために。
6/15/2024, 3:23:42 PM
好きな本
活字が苦手なアタシが、初めて買った本
お母さんには「別人になったのかい?」
なんて笑われた
ベットの上で早速開いてみたが
やっぱりアタシにはまだ早い。
ベットから椅子に姿勢を変えてみたけど
効果ナシ。それより眠くなってきた。
あの子も本を読み始めた時は、アタシと同じだったのかな
バカなアタシに「この本、大好きなんだ」
なんて言ってたよね。
眠たい目をこすった手でページを巡る。
好きな人の好きな本。少しだけあの子に
近づけた気がする。アタシもこの本を
好きになれたらいいな。
6/15/2024, 8:21:40 AM
あいまいな空。
灰色の厚い雲とじめったい空気。
これから雨が降るかもしれないし、
もしかしたら雲が太陽から逃げて
青空が帰ってくるかもしれない。
生徒は乾いた水着袋と窓を交互に眺める。
先生は、黒板をみない彼らに対して自身を重ね
昔の担任へ軽く謝罪しながら
「雨だと、水泳はなしだな」と呟いた。
喜ぶ生徒。残念そうに眉を下げる生徒
この教室も空と一緒であいまい
あいまいな空。