軌跡
卒業式やら卒園式やら、春は別れの季節だ。
春というか、春の一歩手前というか。
その一歩さえ踏み出せれば新たな出会いがあるのだろう。
それでも後ろ髪ひかれる俺たちは、自分で選んだ道の先に踏み出すことさえ躊躇する。
歩き出さなければどこにも行けやしないのに。
迷って悩んでどこにも踏み出せなくなった時、
同じように迷って悩んだ先達が
右も左もわからないまま歩いて行ったことを思い出して
その軌跡をなぞるように踏み出していく。
新しい場所に、まず一歩。
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「まぁあまり残しておくと離れられませんから、早めに消した方が良いですよ」
「卒業生の方々には悪い気がするけど仕方ねぇな」
「ザ・あおはる!って感じですけど器物損壊に当たりますしよくないですこういうの」
「平成・昭和ってその辺緩いよな、なんでだろう」
「現在より海外からの観光客がいなかったのは大きいかと。見られている事を意識する姿勢は大変良いと思いますわ」
「それにしても全部消せるのかね、GW中に…」
加筆します
夜が明けた
逢魔時から夜明け前、季節にもよるが約12時間。
それは俺達陰陽師の最も気が抜けない12時間である。
「そういうものたち」が噴き出やすい場所を重点に見廻り、
「そういうものたち」が溜まりやすい場所を見廻り、
「そういうものたち」が悪さをしやすい場所を見廻る。
成敗は俺らより上の階級の人達の仕事。
俺達は「見落とさないこと」、「情報を持ち帰ること」、この2つが1番の仕事。偵察班てやつだな。3人1班。
お嬢はこうも言っていた。「距離の測り方を間違えないことです」、と。
ただ冷静に。
状況を過不足なく伝えること。
恐れすぎれば見えなくなる。
侮れば足元掬われる。
相手の大きさを強さを見誤らない為に必要な距離の測り方。
それを覚える為の修行を兼ねている。らしい。
12時間を3時間交代でのパトロールはいつだって気が抜けない。
待機中も。おれがまだ新人だからかも知れないけど。
眩しい朝日を待ちかねる。
あぁ、今日も誰1人かけることなく夜が明ける。
朝がくる。
星明かり
「今日の〜夜食はなんだろな〜」
「お前よくさっきの今で飯の話できるな…?」
「えっ声に出てました!?」
「めっちゃ出てた」
「」
加筆します
きろく
わくだけ失礼します!
一輪の花
わくだけ失礼します!!