びくびくおどおど、
私の後ろに隠れていた君は、
私の知らない間に
私の前に立って、
少し振り返って笑顔を見せるようになった。
ありがとう、ごめんね。
君も怖がりなのに。
私も本当は怖がりなの。
私が君の前に立つことで、
私は怖がりなんかじゃないって
思い込ませようとしたみたいに、
君も私の前に立って、
僕は怖がりなんかじゃないって
思い込んだらいいと思う。
でも、そうやって
君を卑下することで
なんとか関係を保とうとしている私が
やっぱり1番、怖がりなんだよね。
「怖がり」
君との思い出を
全部丸ごとひっくり返したかのように、
おびただしい量の星が
きらきらと輝く夜。
思い出と思い出を繋ぐように
星と星を繋いでは
1つの恋の物語を完成させる。
君と手を繋いで
星と星を繋いだこの思い出も
新たな星として、
夜の闇をほんの少し、明るくする。
「星が溢れる」
知ってるよ。
ずっと隣で見てたもの。
あなたの笑顔も
あなたの泣き顔も
全部全部。
教えてくれてありがとう。
見せてくれてありがとう。
お願いね。
今まで、ずっと隣に居たんだもの。
あなたの笑顔も
あなたの泣き顔も
全部全部。
ずっと隣で見させてね。
そして悲しみも喜びも、分かちあわせてね。
「ずっと隣で」
滅多に笑わないあなたの笑顔を
泣いた顔なんて見たことがないから、泣き顔を。
もっと知りたいけれど、
少し知るのが怖いような。
笑っていては欲しいけれど、
泣いては欲しくないような。
それでも、あなたは溜め込んでしまうタイプだから
私が受け止めてあげたい気持ちと。
もしかしたら、私はあなたの泣き顔を知っているって
あなたを私のものにしようとしているのかも。
私は邪な気持ちを持っているかもしれないけれど。
だとしても、私はあなたの事が好きだから。
あなたの事、もっと知りたい。
教えて欲しい。
あなたの笑顔を教えて。
泣き顔は、私が死んだ時に教えてね。
「もっと知りたい」
月に照らされ、
夜の闇に押し出され、
輝く君の
青白い肌が好き。
「月夜」