一人で作り上げてきたのは
何も無い無色の世界で。
そこに貴方が現れて
この世界には沢山の色があることを教えてくれた。
空は一色で出来ていないこと。
物には影があること。
太陽は色が変わること。
雨の後には虹ができること。
全てが私にとっては新鮮で
ただひたすらに、眩しい世界だった。
同じ国でも風情が違うこと。
文化があり、それに伴った言語があること。
場所によっても価値観が変わること。
でも全てが生きているということ。
楽しそうに話す貴方の旅路を
私も少しだけ覗いてみたいと思えた。
誰かが言っていた
「プリンセスが泥棒に惹かれたのは
自分にない世界を彼が持っていたからだ」と。
ないものねだりな私達が
自身に無いものを持つ人間に惹かれるとするなら
間違いなく私の相手は貴方だろう。
貴方が外の世界を教えてくれるなら
私は貴方に内の世界の広げ方を教えよう。
何処に行っても
2人でいられるように。
何処に行っても、貴方の笑顔を思い出せるように。
届かぬ想いは風に乗って
一体どこに向かっていくんだっけ?
ただここにあったら良かった
ここにあれば、まだ私の心の中で
大切にできていたはずだった。
傷付くことを避けすぎる私と
傷を丸ごと受け入れてしまう貴方では
上手くいかないことも分かっていたのに。
それでも私達は、
傍にいようと身を削って愛し合ってた。
今になっては哀れだと思える。
それでも、幸せだったことに変わりはなくて
あの頃の私が私らしく笑っていた事も
嘘だと言いたくない私だっていて。
ねえ、貴方は今笑えてますか?
最後に見た貴方はいつも
苦しそうな顔ばっかりしていたから。
隣に居る人が私じゃなかったとしても
貴方が笑って幸せだと
胸張って言える日々を願っていたいと思う。
貴方という大きな波を目の前に
この舟を漕ぐには
まだ私は弱すぎるかな?
結局どう足掻いたって
過去も今も、必死に追いかけてたのは
私の方だったね。
はるか向こうの水平線を
貴方と眺める快晴の夏。
波に乗る貴方を
砂浜に座って見てる私がいて
濡れることも気にせず抱きしめ合いたいなんて、
そんな夢は到底叶わなかったけど。
砂浜で友達とじゃれ合う貴方を
遠くに見てたあの時間は
別に悪いものじゃなかったよ。
時折こちらを見ては笑って
「おいで」なんて甘いことを言って
くしゃっと笑う目尻のシワがなにより大好きだった。
知るほどに遠くなる貴方の存在は
手を伸ばしたところで届くはずもなくて。
悔しさと未だ残る愛おしさが
私の海を作っていく。
言葉にできない感情は
いつでも不安定に揺れる筏みたいで。
嬉しさと悲しさが同時に存在する私の心は
言語化するにはあまりに複雑で
ニュアンス1つ表現するにも
数知れない言葉の海に呑まれてしまう。
言葉の海路に彷徨うこの筏を
方位磁針のままに舵を切って
貴方という島に進んでいく。
どうか貴方が引き上げてはくれないだろうか
きっと私一人では
着陸するのも難しいだろうから。
どうか暖めてはくれないだろうか
この海は
私には冷たすぎてしまうから。
焚き火を囲んで旅路を伝えて
笑い合えるそんな時間を
貴方が用意してくれないだろうか。
そうしたら、この冷えきった心も
鮮やかな青に変わっていくと思えるから。
春爛漫の季節に
出逢い、別れを暗示するのは
季節の始まりと呼ぶ時期に
自らをより成長させる為の神の施策なのだろうか
関わる人が変われば
自ずと自身の内面も変わっていく
価値観の幅が広がると共に
視点の角度や視野の広さも補われていく
昨年の私はどんな人であれただろうか
未来の私はどんな人でいられてるだろうか
変わらないものを愛してしまう私は
季節が移ろう毎に
自身が変わっていることに気付けているだろうか
あの日々の幸せをアルバムに閉じて
いつか見返した時に
懐かしいなと笑える様な自分でありたい
そうなれていれば
あの頃の幸せよりもずっと大きな幸せを
手にしているという証になるでしょう?