あの、有名な川を渡りきった。
心残りはあるけれど、もう戻ることはできない。
進む先に、道がふたつある。
ひとつは『光』
ひとつは『霧』
『光』を選べば
大切な人の迷いを照らすことができる。
だけど、大切な人の姿は見えなくなる。
『霧』を選べば
大切な人の涙を隠すことができる。
だけど、大切な人の悲しみの理由を、永遠に知ることができなくなる。
光と霧の狭間で、わたしは立ちすくむ
お題:光と霧の狭間で
(さぁ、どちらを選ぼうか)
『シャコシャコシャコシャコ』
子どもの頃
砂の落ちる3分間は
はみがきの時間だった
だから
砂時計の音は
はみがきの音
お題:砂時計の音
☆ ☆
この世から星図が消えたなら
また人は描くだろうか
☆
☆
☆
夜空を見上げて
星を繋いで
☆ お題:消えた星図 ☆
恋はキラキラ揺らめく水面
愛は薄暗く蠢く深海
どちらも無いと海ではない
愛から恋をなくしたら
きっと愛の軽い部分が恋になる
どちらもあるから世界は廻る
お題:愛-恋=?
おじいちゃんが切った枝を集めるのが
わたしの仕事だった。
おじいちゃんがつむ前に小さな実をつむのが
わたしの仕事だった。
おばあちゃんがむいた梨をいちばんにかじるのが
わたしの特権だった。
梨畑は もうない。
おじいちゃんもおばあちゃんも もういない。
思い出はずっと
わたしのなかにある。
お題:梨