「ココロ」って字を見ると

三個並んだ四角の箱のうち

一つだけドアが閉まってる

これはもらった愛を逃がさないため

残り二つのドアが開いているのは

大切な人へたくさんの愛を注ぐため

月を泳いで

あなたのところへ逢いに行く

夜に溺れて

偽りの体温で包まれる

星に願って

叶ってしまうほど薄情な愛

君の背中に彫られた

元カノの名前の刺青をなぞる

煙草の匂いが焼き付いた朝の四畳半

薄い毛布にくるまるふたり

昨夜もまた聞けなかった

「愛してる」

今夜もまた言ってしまう

「愛してよ」

あおいそらから

とおくとおく、はなれたこのせかいまで

あなたにあいたくてうまれてきたんだよ

まま。


あなたが旅立って約数年。
まだ悲しみは消えません。


この世界から

遠く遠く、離れた青い空まで

数十年後に会いに行くから待っててね

お母さん。

教室の中では

同じグループの「友達」

放課後だけは

こっそり手を繋いでみたりする「好きな人」

窓に映る影ふたつ

まだ誰も知らないひみつ