「こんにちは、雨の件でお越しですね。私が雨散らしです。そして、後ろに」
「僕が雨呼びです」
黒衣の二柱を目の前に、緊張はピーク。
でも、祈りを伝えるべく、震える唇を無理やり開く。
来週末の地区予選が終わるまで、梅雨入りを延ばしてほしい。どうか、お願いします。
「部活のマネージャーさんって、昔も今も熱心だよね」
「本当に。どうして寿命投げ打ってここに来ちゃうんだろう」
不思議だね、と言いながら、少し微笑んでくれた。
それが、最後の記憶。
【あいまいな空】
昨年末からジワジワ広がった蕁麻疹が治らなくて、皮膚科で出してもらった塗り薬が半分終わったタイミングで、漢方薬飲んでみたんだ。
漢方って、だいたい食前服用だよね。
予想通り、胃をやられて、今日は仕事も休んでいます。食えないし、眠れないしでフラフラじゃい。
ああ、まだまだ治癒への旅は続くんだね。
【終わりなき旅】
月の光ってのはさ、太陽光の反射なんだ。
そこに何かを掛けるとな、跳ね返って、逆さになるんさ。
いいかい、あまり軽はずみに言葉を放るもんじゃないぞ。
茶をすすり、イカサマ占い師がニヤリとした。
【月に願いを】
多くの子どもが、より良い世界の構築を望むのに、多くの大人はその努力を放棄する。
この隔たりにあるのは、何でしょうかね。
「それは、目には見えないけど、強い味だねー」
「コップのお水に、砂を大さじ一杯いれたやつと、お塩大さじ一杯いれたやつ、どっちが影響力強いかって話じゃない?」
よく分からない例えを言いながら、6歳の双子は政府向け意見陳述書をサラサラと書き進めている。
「見えないけど、ある」
「邪魔なようで、必要なもの」
IQ数値が国内トップになると、何かと忙しいようだ。
【透明】
その定義が零時なら、覚醒した状態だ。
日が変わる瞬間を、ちょっと憂鬱な気持ちで迎えているってことか、と思うと、だいぶ残念な毎日だな。
夏至までの上昇気流をムダにしないよう、今夜から心を整えます。
とか考えても、真夜中さんの引力は強いので、ゲームしてイライラしちゃったりするんだよなー。
【真夜中】