NoName

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10/24/2022, 11:35:31 PM

行かないでと思ったことは幾度となく。
言葉に出すのは

「行ってらっしゃい」
「寂しくなるね」

行かないでという思いを秘めた言葉

制止の声が届かないのはわかってるから
手をはなして送り出す

行かないでという言葉を飲み込み
「おかえりなさい」と言える日を待つ

10/1/2022, 4:19:03 AM

このまま時間が止まればいいのに。
そう思ったことは数え切れない。

反面頭に浮かぶ言葉。

ゆく河の流れは絶えずして、
しかともとの水にあらず。

時間の流れもそうなのだろうか。

昨日は今日につながっているが
昨日の時間と今日の時間は違う。

ひとりひとりの明日が交わることは
奇跡だったのかもしれない。

毎日顔を合わせたクラスメートは
いつの間にか別々の道を歩んだ。

また明日、がまた来週。また来月。また来年。

またいつか。

あああのときに戻りたいと祈っても願っても
もとの時間には戻れない。

水は流れを止めると腐る。
時間も同様なのだろうか。

私は答えを知らない。

9/29/2022, 11:53:03 AM

荷造りは終わった。
ブランケットにくるまり最後の夜を過ごす。

生活を始めたときの
ワクワクと不安の混じっていた部屋は
いつの間にか
たくさんの思いの詰まった空間になった。

目を閉じれば
友人たちとの笑い声が聞こえる。
失恋して泣き枯れた声が聞こえる。
仕事の愚痴を漏らす声が聞こえる。
仕事帰りの晩酌、ビール開栓の音が聞こえる。

そんな空間もあと一日で
また無機質な空間に戻る。

この空間は
誰かの思い出の詰まった空間になるのだろうか。

楽しかったな。
寂しかったな。
辛かったな。
充実してたな。

色んな思いが混ざった気持ちが
「懐かしい」なのかな。

もうこの部屋に戻ることはない。

ありがとうございました。
7年間おせわになりました。

ふとした時に思い出して
懐かしさが心にあふれるときまで

9/27/2022, 10:07:08 AM

朝と天気違うじゃん。傘持ってないのに。
そう思いながら窓の外を眺める。
強まる雨音に、静かな憂鬱を感じて
自分が落ち着いているのか苛ついているのかわからない。この気分をどう形容しようか私には適切な語彙が思い浮かばない。

しばらく窓の外を見ていたら一本の光の筋。

あ、あそこから晴れていくのかな。

窓を叩く雨音はだんだんと勢いを弱め、
ゆっくりと光の筋が太くなる。

雨が止む頃にはスッキリとした秋空が見えた。