クジラになれないイルカ

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2/13/2024, 10:52:27 AM

待ってて____

エピソード2[苦い海と沈んだ夕日]

「海は苦い。」
「いや、海はしょっぱいでしょ。」
「違うよ、こころ。」
友達の憂は頑なにそう言う。

「うちの海は苦いんだ。」
「そっかあ。」
あたしはもう受け入れる。

「ねぇ、沈んだ夕日って時に残酷だよね」
「あたしはそれでも沈んだ夕日大好きだけどね」

「ぶはっ。」
憂は心から笑った。


【意味】
苦い海で、苦海。 くかいと読む。
この世が苦しいものであることを海にたとえた語。
憂はこの世界が苦しいということ。
沈んだ「しん」夕日「ゆう」
「親友」


【解説文】
「この世が苦しい。」
「いや、海はしょっぱいでしょ。」
「違うよ、こころ。」
友達の憂は頑なにそう言う。

「うちの世界は苦しいんだ。」
「そっかあ。」
あたしはもう受け入れる。

「ねぇ、親友ってときに残酷だよね。」
「それでもあたしは憂が大好きだけどね。」

「ぶはっ。」
憂は男の子みたいに笑った。

2/12/2024, 1:39:51 PM

伝えたい____

エピソード 1[女の子は良い子]

「憂は良い子だよね。」
「わたし良い子じゃないよ。」
「女の子だもの。良い子に決まってる。」
ああ、良い子じゃなくて息が出来る子になりたかった。

【意味】
女と良で娘。息と子で息子。
2人は親子で憂は男の子になりたいという意味。

【解説文】
「憂は良い子。」
「わたし良い子じゃないよ。」
「女の子でしょ。良い子でいなさい。」
ああ、娘じゃなくて息子になりたかった。

2/7/2024, 11:19:54 AM

どこにも書けないこと____


どこかムカついてて。

わざとらしい大きな笑い声。
頑張って絞り出している強気味のツッコミ。
必死に話についてきて必死に声を出す。

そっくりで言いたくなる。

自分に合ってるとこにいきなよ。頑張ってる感すごいよ。無理して笑ってるみたいだよ。今私この子と話せてるーすごいって思ってるんでしょ。気持ち悪い。今青春してる、最高に楽しいって思ってるんでしょ。気色悪い。


昔の私にそっくりで、吐き気がして、気持ち悪くて、
痛くて、居た堪れなくて。

彼女が昔の私にそっくりでそう言いたくなってしまう。過去の自分ほど嫌いな人はいないから余計、彼女が以前の私のようで耐えられない。


でも、実際わたしもも周りから見たら頑張ってる感があるんじゃないか。無理して笑っているように見えるんじゃないか。心の中ではこの子と話せてるすごいなんて実は思ってたりするんじゃないか。そう問われても全力で否定できる自信がなかった。


結局、昔の自分にも今の自分にも、何より彼女にもそんな偉そうな考えや感情を持つ資格なんてこれっぽっちもないんだ。


今更、彼女に昔の私に言いたい言葉が今の自分もそうなんじゃないかと思い始めたらブーメランで帰ってきた。

2/6/2024, 9:53:55 PM

時計の針____

明るくて、自分の意見をはっきりと言えて、盛り上げ上手で、コミュ力が高くて、積極的で、可愛い子。

長所ばかりでいいところしか述べられていないのにそれが怖いと思ってしまう私はきっとそちら側の人間になることはできない。

羨ましいから嫌いなのか、
嫌いだから羨ましいのかわからない。

ただ、そーゆ一人たちは知らず知らず誰かを傷つけていることを私は知っている。でも、そんなの気にしてたらやってられないっていうことも、知っている。

それが高校生の特権だと思うし、今しか出来ない。
そうだ、そうなんだよね、今しか出来ないから私、焦ってるんだ。このまま青春の時代が終わりそうで怖くて。

時間は止まってくれない。こんなふうに考えている時間も青春と呼んでもいいのなら、私はそちら側の人間が羨ましくないかもしれない。だって、それなら私が1番青春を謳歌してるもの。


2/5/2024, 10:20:59 AM

溢れる気持ち____

嫌いな子、苦手な子なんて滅多にいなかった。少なくとも合わない子はいたとしても、嫌いな子は出来たことがない。でも、初めて出来たんだ。それは自分のことを尊敬してくれるとても優しい純粋な子だった。

彼女は、頑張って陽気な人と話して、自分の地位を保とうと必死だった。彼女が流せず笑えずにいる時も、彼女の一言でシーンとなってしまった時も、私は拾ってフォローしていた。別に同情でもなんでもない。ただ、痛々しくて見ていられないだけ。でも、彼女をフォローし続けた結果、気に入られてしまった。

尊敬されることも気に入られることも悪い気はしない。でも、心の奥底に蓋をしてある感情が出てこようとする。

[下手くそなんだよ、生きるの。もっとこうすればいいのに。もっとこうやって笑って、もっとこうして話して、どこかを諦めて、どうすればいいかを考えて、行動して、発言して。笑って笑って流して。なんでそれが出来ないの?]

その気持ちは、果たして過去の自分への感情なのか、
彼女への感情なのかはわからなかった。

でも、この気持ちに名前をつけるとしたら「嫌い」だと気がついた。彼女は自分に似ている。過去の自分に。上手く生きられなくて、笑えなくて流せなくて、ノリに乗れなくて。そんな世界一嫌いな自分にそっくり。

尊敬されればされるほど、褒められればめられるほど、心の蓋が揺らぎ、抑えられなくなる。そうなる前に彼女から離れなければ。でも、離れれば彼女は傷つくし、離れなくても私の蓋がいつ開くかわからない。私も彼女と同じで下手くそだ。生きるの。

でも、なんだかんだで見捨てられない。過去の自分を見ているようで。ああしてほしかった、こんなことを言ってほしかった。そう、過去の自分が望んでいたものと彼女が望んでいるものはきっと同じで、だから尊敬されてしまう。違うのに。私はそんないい人間じゃないのに。貴方を見捨てたいと思ってしまっているのに。彼女の真っ直ぐな目は青くて痛くて美してくて嫌いだ。



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