2/28/2023, 9:59:56 AM
誰かに会いに行っていたお前が戻ってきて、
俺の顔を見て真っ直ぐに言うんだ。
「一番大切なのが誰か、やっと気付いたんだ」
と。
現実逃避は百も承知だけれど、
思い描くだけだから許してくれないか。
向かいの椅子は、今日も空っぽのまま。
2/25/2023, 9:53:45 AM
小さな画面の中で紡がれる悲恋。
見届けて涙ぐむ横顔。
だから呑みすぎるなと言ったのに。
いい年して格好悪いな、でもさ、と目を擦り。
映画だから綺麗に描かれてて感動もするけど、
本当に辛い恋をしてる人達は苦しいだろうな。
鼻を啜って落とされた呟き。
みんなが幸せになれればいいのにな。
そうだなと、たった一言さえ返せず口を噤む。
みんなが幸せになれればいいけれど。
俺とお前のそれはきっと同時には存在しない。
だったら俺はいらないよ。
お前が知らないだけで、
叶わぬ恋も道ならぬ恋も、
本当はもうずっと前から、すぐ傍にある。
お前に気付かれぬよう、息を潜めている。
息を潜めて俺は正解を探す。
本音よりも、お前を癒せる言葉を選ぶ。
現実には存在し得ないと知っていても、
お前の涙が乾くならそれでいい。
「次はみんな幸せになる映画を観ようぜ」
2/23/2023, 5:19:05 PM
こんなものは愛じゃない。
こんなものは愛じゃない。
お前が誰かに向ける笑顔がたまらなく憎らしくて、
また別れたよと淋しげに笑う報告に内心で喜んで、
慰めながらも目の前の俺に気付けと、ひそり願う。
こんなものは愛じゃない。
こんなものが愛であるはずがない。
どろどろと渦巻いて善も悪も飲み込んでいく。
ごめんな、自分でもどうにも出来ないんだ。
傷つく顔が見たいわけじゃない。
満たされていてほしい。心の底から。
だから、早く、
俺の手の届かないところで幸せになってくれ。