「記録」
元々日記を書きたいとか言って二日で忘れてしまい、そのままになってしまうのはよくあった。が、このアプリだけは最初から今も続いている。
今書いている事も記録としてこのアプリにも、スマホにも残されているのだ。
今なら日記も毎日出来るかも……しれない。
「さぁ冒険だ」
重いランドセルを背負っていた頃、友達も先に帰ってしまって一人で帰路を歩く時間が好きだった気がする。
太陽が地面を照らし、汗をかきながら歩くのはちょっとした冒険だった。
これが夏休みに入って、夏期講習帰りの私はいつもは通らない道を通ったり、家に帰るどころか別の方向に進んで新たな発見を探したり……
ランドセルを卒業してバッグになった今でもあの頃の冒険少年の心を呼び覚まして冒険がしたい。
「一輪の花」
最初は沢山の花が入っていたのに枯れてきて、毎回一つずつ退場して行く。
色んな花が花瓶から退場して……後は二つだけ。
次の日確認してみると赤い花が勝っていた。おめでとう……そしてさようなら。また新しく取ってくるからね。
数々の花が枯れる瞬間を見てきた花こそが一輪の花になる事を許される話……を思い付いたのだった。
「魔法」
疲れていても、何気ない日でも、その魔法はかかっている。
例えば、とある色を見たとしよう。その色を見て、私も貴方も(推し)の色だ……! と思うだろう。
他にも、その推しの概念や名前がほぼ同じ人を見つけても自然と口角が上がってしまうだろう? ……そういう事だ。
私達には推しに近いものを見ると反応してしまう魔法がかかっているのだ。
「君と見た虹」
学校に行く時に待ち合わせをするのだが、その時は生憎雨が降っていた。
「雨やばくね!?」
「んね、めっちゃだるい〜!」
そんな話が届いたのか、雨音は聞こえなくなり、傘も要らなくなったのだ。
「あっ、虹だ!」
「……めっちゃ薄いね! ほぼ見えないや!」
そこにはとても色が薄くて直ぐに消えそうな虹があった。
「……ごめ〜ん、遅れた〜!」
「あ、大丈夫だよ、行こ?」
いつまでもこのメンバーで虹を見れますように。