私は部活が大好きだ。
──でもひとつだけ嫌なことがある。
それは元スキと同じ部活だからだ。
しかも1個上の先輩。
なぜだろう。前よりも目が合う気がする。
もう好きでもないのに目が合うだけで胸の鼓動が速い気がした。
そんなはずない。
──もう、どうとも思っていないんだから。
もう、終わったことなんだから。
ああ、どうしよう、どうしよう。
彼と遊ぶ日がくるなんて思ってもいなかった。
もちろんふたりきりではないではない。私と私の仲のいい友達と私の好きな人とその仲のいい友達の4人だ。
私の好きな人は今日一緒に遊ぶことを楽しみにしていたかのように歩道を踊るように歩いている。
いつもはクールな感じを纏っている彼が今日みたいにかわいいところもいいなと思った。
これからどんどん、彼の性格を知りたいなと素直に思った。
もうすぐで私の学校の体育祭だ。
私の好きな人は応援団。
私は赤組、彼は青組で的だ。
部活のとき彼は応援団の練習をしている。
ああ、今日もかっこいいな…。
これがあと13日も見れる。
これが私の最近のきらめきだ。
私のちょっとした自慢を彼に聞いてほしい。
「部活で自己ベスト更新したんだよ!」
彼はどんな返信してくるだろうか。
『すごいじゃん!』『よかったね!!』とか?
そうだったらいいな。
「おーよかったやん」
その返信は『!』もなかった。
絶対よかったなんて思ってないよね?
そんな些細なことでも気にしてしまう。
私の好きな人は恋愛に興味がないみたいだ。
でも私的にはそのほうが楽だ。
だって私の好きな人が誰かのことを好きって聞いたらそれこそ苦しいから。
でも私の気持ちを知らない友達が
「○○くんって好きな人いるらしいよ!」
と私の望んでもいない言葉をかけてきたのだ。
私は『いや、でもまだ決まったわけじゃない。大丈夫。』
と自分に言い聞かせてたが、心の灯火はどんどん暗くなっていく一方だった。
──でも、本当じゃなかったらいいな。