【時を告げる】
今書けそうにないのでまた後で
【貝殻】
昔どこかの砂浜で、小さな薄桃色の貝殻を拾い集めた記憶がある。桜貝というものらしい。
でも、それがどこだったのか。
私は貝殻を拾えるような綺麗な砂浜に縁があっただろうか。どこかに海水浴でも行ったのだろうか。
それがいつのことだったのかも全然覚えていないのだ。
拾った貝殻は、当時宝物入れだったクッキーの缶に入れたような気がする。そのクッキー缶もいつかどこかに消えてしまった。
だからかもしれない。
貝殻という言葉に、私はほんの少しの感傷と懐かしさを感じるのだ。
【些細なことでも】
恋に落ちるきっかけなんて人それぞれなのだろう。たとえ些細なことでも、胸の奥の柔らかい場所に刺さって忘れられない。
僕にとって、それはうっかり触れた君の手の少しのかさつき。しっとりと柔らかいのかと思えば、水仕事でもしているのだろう、働く人の手だった。
この人は頑張っているのだと思った。
支えたい、応援したい、傍に居たい、役に立ちたい、味方でありたい。突然ぶわりと湧き上がった思いに翻弄された。
好きだと伝えないという選択肢はなかった。
振られる可能性なんて考えていられない。
気持ちが膨れ上がって破裂してしまいそうだ。
この思いはちゃんと外に出してやらないと。
応えてもらえなくてもいい。
とにかく伝えて、後のことはそれからで。
だから、ええと……そうだな。
僕は明日にでも、よく効きそうなハンドクリームを買ってこようと決めた。
【心の灯火】
色々書けそうなお題なのに、書きたいものがすんなり出てこない。
そもそも心の灯火ってどんなものかと。
調べてみると仏教とカトリックが出てくる。
宗教色のある言葉なのか?
進むべき道を示すものと考えたらそうなるか。
生きる糧になるものだったりもするのだろう。
灯火といっても色々ありそう。
小さな蝋燭のような灯りかもしれない。
温めてくれる焚き火かもしれない。
明るく闇を払うものかもしれない。
自分自身で燃やしているのか、それとも他人に照らしてもらっているのかでも違いそう。
人それぞれなんだろうなあ。
私にはあるのかな。
それがどんなものなのか、あまり考えたことはなかったな。
【不完全な僕】
僕は不完全で欠点だらけ。なのに君は「今日も完璧だね」なんて言う。
そんなことないだろうと否定したら、「その欠点も含めて完璧なんだよ」なんて言われた。
「欠点がない人間なんていないよ。大体、そんなのつまらないでしょう」
「そうかな?」
「不器用なところも、ちょっとだらしないのも、全部含めて『君』として完璧」
こんな不完全な僕をここまで全肯定してくれる相手は滅多にいないだろう。実際どれだけ救われていることか。気恥ずかしくてなかなか心からの感謝は言えずにいるけど。
せめて僕も全力でこの人の味方でありたい。
なんて思っていたら、麦茶をこぼした。ああもう。何をしているやら。
それを見て「ドジなところも可愛い」なんて言うんだから、本当に君は僕が大好きだな。