自分の正直な心の声を聞いて本来の人生を歩んできただけ。
何も怖がるものなんてない、そんな必要もない。
今、この瞬間にも足を止めようとする縄が襲いかかってくるのなら、そんなもの噛みちぎってしまえばいい。
クソみたいな神も天使も仏すらも信じない。
もしどこかに存在していて試練や天罰を与えてくるのならそれでいい。
全部自分なりに乗り越えてあげる。
最後にはひっぱたいてやってもいいよ。
ハッピーにエンドは必要ない!ナイナイ.ᐟ.ᐟ( ᐛ
僕は周りの人間が嫌いだった。
あるいは自分以外の人間に対して悲観的だと、そんな言い方もできる。
今思えば、高校3年生の自分は艶がなく小賢しい人間だった。
でも、僕は僕1人が最高であった。
わかり合える奴はただ1人だった。
僕は臆病な腰巾着が嫌いで、彼は大人に混ざる愚かなダチョウ人間が嫌いだった。あるいは逆も同様だった。
僕は彼のことを尊敬していたし、何より好きだった。
彼は大衆の波に逆らう小さな小さな孤軍奮闘erのようだった。
彼とは色々な話をした。2人でなにかに挑戦することは無かったけれど、各々の挑戦や決意を話すことで勇気を出していた。9.9割のことはどんなに馬鹿な事柄でもお互い応援していた。でも0.1割は「それは違くない?大丈夫か?」とつっこむことがあった。それでも僕と彼の足と期待は止まらなかった。
琴線に触れる風景が好きだった。それは彼も同じだった。いつも話す時はそんな風景を見ながら話していた。
ある日、大人の手で1掬いしたくらいの空を映した池のある公園でそれを眺めながら腰をかけていた。
当然のように彼も一緒にきて、腰をかけていた。
関わり合うはずの無い池の水と太陽がこの夕暮れ時に美しく水面で触れ合っていた。
「家にあったやつ持ってきた」と彼はカバンの中の酒缶を見せてきた。
僕は最初少し躊躇ったが、気付いた時には迷うことなく2つ目の缶を開けていた。
アルコールでよたついている脳と目の前の佳境は5万m先の雲をも溶け込ませるほど調和していて、僕の胸の温度を柔らかくも大胆に上昇させた。
お互い体と共に話もどんどん熱くなっていった。
僕たちはここで会う度にこうして酒を飲んでは語り、大人ごっこをしていた。
僕たちの大嫌いで最悪なバカみたいな日々だった。