『欲望』
眠い。
凄く眠い。途轍もなく眠い。
え? 何故眠いんだって? そんなの簡単、俺が全く寝ないでゲームばかりやってたからさ。
でもさ、しょうがないんだよ。ほら、よくあるじゃん? めっちゃ楽しくなってきたのにもう寝なきゃいけない時間みたいな。
だから俺は寝ようとした。明日やろうって。
でも無理だった。だって楽しくなって来たんだもん。
わかってくれるかな? いたら良いなぁ。
なんて思いながら俺は学校に行く準備をする。
時刻は8時43分。普通に遅刻。
さて、今日も帰ったら色々な生物をテイムする事にしよう。
『列車に乗って』
今日、初めて列車に乗る。
この後、どんな美しい景色や、どんな人達が居るんだろう。
そう、胸を躍らせながら席に座り、発車を待つ。
この先、トラブルがあるかもしれない。もう帰りたいと思う事も山ほどあるだろう。
だけど、そんな思いをしてでも列車に乗りたいと思った。
まだ見ぬ世界を夢見て、列車が発車した。
『遠くの街へ』
今日の天気は雨。それも豪雨だ。
まるで今の俺の心を表したかの様な天気だ。
明日、幼馴染の日和が転校する。父親の会社の都合らしい。
今までは隣の家だったのに、明日からは電車で何時間もかかる場所に行くらしい。
それを知らされた時、とても辛かった。俺たちは仲が良かったから。
でも、その日和とも明日、別れる。
とても悲しいし、ここに居て欲しいと言いたいけど、言えない。
多分、日和も同じだと思うから。
だから、俺は受け入れる。どれだけ時間がかかっても。
だから、この気持ちも閉まっておこう。俺の心の中に。
この気持ちを打ち明けてしまったら、多分泣かせてしまう事になる。俺も泣いてしまうだろう。
でも今、この部屋には誰も居ない。だから、誰にも聞かれない今、吐き出しておこう。
ずっと好きだった、日和。愛してる。
今、この天気なら、泣いても良いかな?
だって絶好のタイミングだよ、日和。
『現実逃避』
明後日からテストが始まる。
勉強をしなければならない、それは分かっている。
でも面倒くさい、やりたくない、そんな思いが先行する。
よし、ゲームをしよう。勉強は明日やれば良いや。
そしてテストが返された後、俺は補修の為に休みの日にも学校に行くことになる。
『君は今』
天国と地獄はあるのだろうか。
よく死んだ後に善い行いを多くした人は天国、犯罪などの悪い事をした人は地獄に行くと言われている。
それが嘘か真実かを知る事が出来るのは死ぬか、それとも神様と言う存在くらいだろう。
君は今、どうしているのだろうか。
君が病気にかかり、余命を告げられ、そして逝ってしまった。
君が亡くなって、私は君と同じ所に行こうと考えた事もある。
だけど君は最期に私に言った。『あなたには生きて欲しい』と。『一緒にこっちに来たら駄目よ?』と。
多分、分かっていたんだろう。君が亡くなったら、私がどうするかを。
だから最初に釘を刺しておいたんだろう。
だから、私は今を必死に生きている。
恋愛はもうする気は無いが、今でも充分幸せだ。
君は今、どこで何をしているんだろう。
君に会えるのは、もう少し先になりそうだ。