記憶のキーホルダー。
雨の予報。
パソコンを硫酸で負傷?
わーい、わーい、
誰か、完璧にと願いを、
願いを込めた。
手を繋いでも噎せそうで。
目の前が暗くなると思い込んでいた。
笑える。
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もう二度と誰かのモノにはならないと
誓ったのはいつだっけ。
ビルから見える星たちに願いを込めたあの日。
ある時から私のもとに訪れるゾンビたち。
落とすのも助けるのも私次第なのに、
いつも失敗ばかり。
面白いことね。
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曇り
さぁ、始めましょう。
ゆったりと流れるこの時間に甘い香りの
アールグレイ トリコロールを
カードが並べられ小さな人形が動き出した。
素敵な、フレーバー。
彼女は彼にお話を。
彼は彼女にお話を。
温かいお茶の香りは何か空間を満たしたようで。
曇りの隙間から光はまだ差し込まない。
それでもいい。
素敵な、日曜日に。
乾杯。
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君と見た景色。
最初は、何気なく見上げていた空。
ただ、今は君とじっくり見ることにしている。
君が絵を描き始めたから。
君の絵は上手いようで下手な綺麗な絵。
昼下がり大きく白いキャンバスをあえて塗らず、
雲を演出した。
晴天と快晴の違いを描いた絵は、
何とも言えぬ圧迫感があった。
ヴィーナスベルトそう名付けた絵は、
淡い懐かしさに駆られた。
綺麗なようで下手な上手い絵。
彼女は、何処に逝っても描き続けるのだろう。
悲しいものだ。
❧❦
手を繋いで帰る夕暮れ。
オレンジのような酸っぱさが僕達を包んでいる。
楽しかったのも束の間。
「もう帰るのが寂しいな」
[やっぱ、そうだよね]
「帰りたくないな」
[じゃあ、もう少し貴方のそばに居ていい?]
え?
彼女は頬を赤らめ僕の腕をつかむ。
止まってしまえ、夕暮れよ。
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