太陽の光が陽だまりを作った。
私たちは、あの陽だまりには入れない。
牛のようにのびのび遊ぶ子もいれば、
犬のように駆け回る子もいる。
馬の女の子が私に手を伸ばしてきた。
手を取るととても暖かかった。
私も遊びに行きたいと
踏み出そうとすると貴方が着物を引っ張る。
『行かないで』と言わんばかりに着物を引っ張る。
いつになったら暖かい場所に行けるの?
皆は知らないが私達は呪われている。
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フルーツバスケットより
鐘の音が辺りに響き渡る。
「あの大きな時計台から鳴ってるの」
ゴーン、ゴーン、と私の心に鳴り響く。
「とっても素敵」
ゴーン、ゴーン、
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つまらないことでも
やらなくてはならない時がある。
どうしても、どうしても、やらなくてはならない
あぁ、何度水をすくっても 手から溢れていく。
嘲笑われても、どうしてもやらなくてはならない。
つまらないな、と思う時がある。
だけどやらなくてはならない時がある。
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目が覚めるまでに、
私を…殺して…
はっと 目が覚めて、まだ呼吸は荒いまま
暗い部屋でため息をつく。
ピ、と機械音がし部屋が明るくなる。
「また、あの夢」
暗い暗い海の底、深海の様な…
暗い暗い空の上、宇宙の様な…
何かに押し潰されて呼吸が出来なくなる。
唯一喋れるのが
[私を…殺して…]
まだ、この先は知らないが、知ってしまうと
戻れなくなる気がする。
もう、朝が来るはずなのに、
空はまだ暗く霧がかっている。
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[明日、もし晴れたら海でも行こうか]
と、貴方は言う。
外は土砂降り、本当にやむのだろうか?
「晴れたら日差しがしんどいやん」
[大丈夫やて、日除け対策していき]
「するけどー」
ふふ、と微笑む貴方はキラキラしている。
行きたくない訳では無いが私は少し怖い。
あのキラキラについていけるかな?
攫われそうでなんとも言えない。
私には海が狭く見えた。
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