自分は愛情を注いでいると思っていても、
相手には伝わっていないかもしれない。
ただ伝わっていないだけならまだマシなほう。
気持ち悪いとか、鬱陶しいとか、負の感情を持たれているかもしれない。
人の気持ちなんてものはすぐに変わってしまうものだから、どんなに愛情を注いでいても裏切られるときは裏切られるんだ。
そう思ってしまうのは、私が一度も誰かに愛情を抱いたことがないからだろうか。
今日はいい夫婦の日。
推しがお相手と幸せな1日を過ごしてくれてたらそれで満足かな。
独り身の自分にはまったく縁のない日だからね。
「どうすればいい?どうすればいいの?」
私は頭を抱える。
仕事でミスをしたかもしれないと、今になって思い出したのだ。
残念なことに明日は休日のため、自分の目で確認することが出来ない。
誰かに頼もうにも口の軽い人には頼めない。
ミスをしたと確定したわけではないのだが、本当にふとした瞬間にあれ?あれはどうしたんだっけ?となってしまったのだ。
「あ〜〜〜〜!!!どうしよーーー!!
一番頼りになる人からは全然返事がこないしー!
もやもやするぅー!!!」
小さい頃に集めた色とりどりのビー玉。
幼い私にとってそれはかけがえのない宝物だった。
小物入れに収められたビー玉たちは、私が成長するとともに押入れの奥深くへとしまい込まれ、やがて記憶から消えてしまっていたのだ。
「懐かしいなぁ」
10数年ぶりに見つけた小物入れ。
少し色褪せていたものの、中のビー玉たちは曇ること無くきらきらと輝いている。
「一番の宝物だから、お気に入りの小物入れにいれてたんだったなぁ…。ほんとに懐かしい…」
こんなに穏やかな気持ちになったのはいつ以来だろう。
モヤモヤとしていた気持ちが嘘のように晴れていくのがわかった。
お気に入りのアロマキャンドルの香り、ゆっくりと揺らぐキャンドルの炎、スマホから流れる心地よい音楽、他にもお気に入りのものがたくさん。
そのすべてが疲れた心身を癒やしてくれる。
もちろん、嫌なことや悲しいこと全部を忘れさせてくれるわけではないけれど。
だけどほんの少しでも癒やせることができるなら、私は自分を元気づけるために、大切で大好きなものに囲まれたいの。