#凍える指先
#144
この手で全て終わらす
凍えて震えてる指先を頑張って固めて
――少し前――
友達と遊びに行ってた
"何故"か僕に向かってナイフを向けて走ってくる人がいた
それを友達が僕と変わって刺さってくれた
周りの人が通報した
すぐ警察は来た
少し遅れて救急車も来た
そして病院で「もう、手遅れです」と告げられた
僕のために友達が死んだんだ
本当は僕が死ぬはずだったのに
僕が襲われる理由は分からない...
流石に"あれ"は誰も知らないから...
――今――
やっと見つけれた
友達を刺したやつだ
相手が走ってきた
相手は30人ぐらい
僕はみどりとハジキと来た
大丈夫か心配でたまらない
みどりとハジキ死なないけど
傷つくかもしれないから
もういい、このてで全て終わらす
凍えて震えてる指先を頑張って固めて
いや、凍えるわけないよな
今夏だぞ
けど、雪が降ってる
なんでだろ?
異常気象か?
気にせずハジキを使って殺しまくった
全部終えたところで警察が来た
僕は捕まっても良い
そう思った
その時警察が「銃刀法違反、殺人、麻薬及び向精神薬取締法違反」と言った
続いて警察が「薬物乱用してるな。幻覚が見えてそうな雰囲気だ」
そして僕は捕まった
ハジキは取られて
みどりも取られた
なんで…
僕は友達の敵を取っただけなのに
その瞬間口から血が出た
しばらくして救急車が来た
救急隊員が運んでる最中になんだか友達が見えた気がした
友達と空高く登っていく....
消防隊員が「大丈夫ですか?生きてくだ…」
あれ?音が聞こえない
もう、終わりか
こうして死者32名の大規模殺人事件が終結した
*みどり…大麻(マリファナ)
ハジキ…拳銃
両方裏で使われてる隠語
#雪原の先へ
#143
せ 節句が過ぎた
つ 氷柱が出る冬になった
げ 限界の着込みをする季節
ん ―――――――――――――――
の のはずだった
さ 最近めっちゃ寒いわけでもない
き 嫌いではない季節だけどこの季節に
へ 部屋に閉じこもるのが好き
#消えない灯り
#142
人は炎。炎から火の粉が飛び移り新たな炎ができる。
誰かに熱く燃やされ憧れたり感情的にされたりする。
全然燃えてないって?水に濡れても消えないって?
だって心の中で燃えているんだよ。
いつかすべてを燃やし灰にする炎も出てくる。炎は悲しくなって心で雨降れば薄くなる。
炎がなくなれば、息を引き取ることになるだろう。
だが本当の炎だっていつか消えるだろう。消えない炎があるとするならば不老不死と同じだ。
炎が消えても消えない灯り。それは誰かが心のなかで君を思ってるから。
それでもいつか消える定めなんだ。だから胸張って燃やそう。熱くなろう。限界まで。いや、限界突破するまで
#きらめく街並み
#141
もう一度会えるならば
もう一度だけ会えるのならば、喋りたいことが山ほどある
去年のクリスマス、君は息を引き取った
きらめく町並み、大通りの真ん中で君は息を引き取った
なんで守れなかったかな。なんで見てられなかったかな。最期ぐらい一緒にいたかったな
僕が自販機に飲み物を買いに行ってる時に君はトラックに轢かれたんだ
トラックの運転手は脳震盪を起こしたらしい
自分は意識がない人に喋りかけるのは馬鹿らしいと思っていた
だけど、だけど、君がいなくなる事に身体全体が否定していたんだ
体全体が呻いていた。恐れていた。この世で一番恐ろしいことをこの目で見てしまったんだ
トラックのナンバープレート辺りが血の海になっていた
しばらくして警察が来た。救急車も来た
だけど分かっていた。何も知らない僕さえも直感していたんだ
君がもう戻らないことを。体が否定しても、どんなに呻いても、起こったことは変わらない
君ならこういうときなんていうんだろう。わからないや
あの日から時間が進みもうすぐで一年が経とうとしていた
去年の雪が降っていてキラキラと輝く街並みの中の血の海がいつでも蘇ってくる
もう君は戻らなくても僕の心のなかで生きている
人は死んだときが終わりじゃない。人は人に忘れられたとき初めて終わる
誰も知らない、誰も覚えていない。君をそんな状態にさせたくない
ちょっとでも楽になってほしい。そんな願いとともにクリスマスが来る
血のクリスマス、雪が降るとき、毎度毎度君を思い出す
今度のクリスマス、僕が君の元へ行くからね
きらめく街並みに包まれながら
#秘密の手紙
#140
秘密の手紙、君と僕だけの秘密
他の誰も知らない特別なことだ
特別で秘密で最高の手紙を送る
誰も見たことのない唯一無二だ
他にはない、誰もしらないんだ
ロマンが溢れる秘密の手紙だよ
誰に送ったかも秘密で特別だよ