「風邪」
よく東京へ出張いくと、大抵、風邪ひいて帰ってきたな…
母に「あんたは東京行くたびに、体調壊して帰ってくる、なんでやの?」
そう言われても、さっぱり解らない。
ビジネスホテルの部屋が乾燥してるからなのかなぁと思わざるを得ない。
濡れたタオルをかけてみたり、加湿器最大パワーにして夜中、水を入れに行っても。
朝、喉が痛くてしょうがない。
出張に行ったらいけなかったんだ。
「手をつないで」
母の面会をして、時間が終わったときに「また来週くるね」と母の細い手を握る。母は表情を変えずに小さくバイバイと震えるように手を振る。
帰りのバスで、母の細い手の感触を感じながら
小さい頃、火傷をして、毎日バスで消毒に行く時に母のしっかり手を握って、怖々、お医者さんの門戸を潜った事を思い出す。
少し泣きそうになる。
少しでも元気になってほしい。
「ありがとう、ごめんね」
ありがとう
お父さん、お母さん私をこの世にうみだしてくれてありがとう。お父さんやお母さんのように勉強が出来ることもなく、どっちかというと勉強が出来ず、劣等生だった私を育ててくれてありがとう。
体も小さい頃から弱いのを育ててくれてありがとう。自家中毒で寝たきりになった私を側で見てくれてありがとう。足に火傷をおった時、泣きじゃくる私をおぶって病院に運んでくれて、毎日、おぶって
バスに乗って、消毒につれていってくれてありがとう。
ごめんね
13年前、携帯電話のメールを毎日送ってくれたお父さんありがとう。成功した姿をお父さんが亡くなる前に見せれなくてごめんなさい。
お母さん、お父さんの介護、看病ありがとうございました。私は仕事以外に気遣いができずごめんなさい。お母さんが惚けてしまって今、介護医療院に入所し、私は何も直接、介護に接しなくてごめんなさい。
野口さん、私が仕事してる時に母を気遣って、散歩連れて行ってくれたり、母の大好きなケーキを買ってきてくれたりしてくれて、ごめんなさい。
私は本当に
自分ぼことばかりで精一杯でした。
「光と闇の狭間」
自分にとって不運な事が起こると、
「今はそういう年回りなんだ、いい時はまた巡ってくる」なんて自分に言い聞かせる。
自分にラッキー
「冬のはじまり」
※12年後の前のやりとり必要
真麻子と清の電話のやりとり
トシとの仲良くなった経緯
トシが運ばれて1日おいてから
トシが福岡に旅立つ。