なんかね、自分の歳をぱっと言えなかったり、クラスメイトの名前や先生の名前を覚えて居られなかったりしてね、それで、
僕は変わってしまったのだろうか。そう思うのもあ
の日からなのだろうか。もう何も考えようとは思わ
ないし分かろうともしないが、ずっとなにかに疑問
を抱いているような気がしてならない。どうしてだ
ろう、何がいけなかったのだろう。元日だったとい
うのに大きな地震が起こり、隕石がそらから舞い降
りて、地球温暖化などは進み続け、新型のウイルス
でパンデミックが起こり何度目かの自粛ムードが訪
れ、今もどこかに戦争で死ぬ人々がいる。俺は露店
で買った二段重ねのアイスを落っことし、車に泥水
をかけられ、社会の窓をおっぴろげながら歩いてい
た。俺なんかはただの不注意で、ただの不運できっ
と何でもなくて、近くにあった神社で引いたおみく
じは大凶で。何を言いたいのか、話が全然まとまっ
てないから分からないと思う。俺だって分からない
のだから当たり前だろう。ただ、新しい一年が始ま
っても、こんな不運でも、夕焼けだか朝焼けだかは
変わらずにこんなにも綺麗なんだと黄昏てただけだ
よ。長ったらしい独り言だとでも思って、時間を無
駄にしたとでも思ってこんなクソみたいな俺の話は
飛ばしてくれよ。ただ、綺麗だと本当にそう思った
だけなんだから。
子供のように
いつからだっただろう。昔のように全てのモノに関心を持てなくなったのは。セミのうるさいくらい訴えかける鳴き声に、ガラスコップに入ってる氷が溶けかけてカランと響かせる音、今では聞こうとしないと聞こえない。昔は嫌でも耳に入ってきたはずなのに。どうしてだろうな。
目が覚めるまでに)
眩しくて、一瞬夢から意識が離れた。眩しい。とて
も。なんでこんなに眩しいんだろう。寝る前、カー
テン開けたっけ?少しづつ耳には音が染み込んでく
る。その音がアラームだと頭が理解した瞬間に右手
が勝手に音を止めた。起きなきゃな、そうは思うけ
ど身体は1mmだって動こうとしない。なんだかん
だ、頭はまた夢の世界に遠ざかって何も考えなくな
った。夢の中では私は何にでもなれる。そこが夢だ
と確信してるから。現実は、そこがリアルだと確信
していても何にもなれない。私が「私」であるため
に、周りに全部合わせて個を無くす。だから夢の中
で、夢の中だけでも自分という個性を見出したい。
だから二度寝するんだ、という言い訳を、今夢の中
で考えている。目が覚めるまでに。
今日で終わりにしよう。煩わしい人間関係も、溜ま
っていく仕事も、ナニカに追われる生活も。例えば
時間。選択肢を迫られることも、ギリギリであたふ
たしながらの生活も飽きた。明日で終わりにしよ
う。やっぱりコレはまだ出来そう。頑張ったら終わ
る。そういった気持ちが希望になるんだね。来週で
終わりにしよう。そう言って結局全てを放棄するの
が怖いだけでしょ。心の底から終わりにしてしまい
たがっているのに、心のどこかで怖いって。放棄す
るのも怖い。挑戦するのも怖いって。