これから先、きっと必ず、離れてしまうあなたとしたいことがあります。
交わしたい約束が、あります。
いつか、いつかさ。離れて進んだ道が交わって、何処かで会えたなら。あなたと、会えたなら。
子どもの頃はさ、なんて過去の話をしませんか?
あそこで手を繋いだね。あそこでハグしたね。あそこに集合して遊んだね。あそこで友達にバレたね。
君と笑って、話をしたい。
朝起きて、おはよって今日も頑張ろうねってLINEして好きだよって言う。
学校で目が合ったら手を振って、話せたら話す。
帰ってきたらお疲れ様ってLINEして、夜お互い塾がない日は電話する。
そんな幸せな日常を
ずーっと君と繰り返していたい
私はただ、それだけなんだ。
「相合傘ってさ、めっちゃ距離近くなるよねぇ」
おそらく彼女さんであろう女子がそんなことを呟いた。そりゃそうだろ。相合傘なんだから。
「俺はこんな口実もなく、近くなりたいけどね」
道路側を歩く彼氏さんがぼそっと顔の向きを変えずに言った。
バッ、って効果音がつきそうなぐらい思いっきり彼氏さんの方をむく彼女さん。少し呆れたような、それでいて愛おしいと思っているような顔をして
「そういうことは、こっち見て言ってよ」
ひとつの傘の下でかわいいが大爆発した瞬間だった
私ね、君とは未来の話したくないんだ。
ほら、私たち多分、卒業したら別れちゃうでしょ?
みんなそんなことないって言うけど、私だって嫌だけど、あなた結構常識人でしょ?
なら、私あなたに振られるんじゃ、って思うの
私からは振らないけど、絶対
だから、あなたとはずっとずーっと楽しい今だけを過ごしたいの。
これから先もずっとずっと、楽しい今を過ごしたいの。
これって、未来の話だったね
1年前の今日って何してたんだっけ
って、聞かれたってわかんないよね
その年のその日って、その日しかないのにね。
今日だって昨日だって、もう1回、はないのにね。
毎日毎日が最後なのに、忘れちゃうんだよね。
そんな日もあったね、そんな日あったっけ、って
そんな、小さい思い出になっちゃうんだよね。
ただ、それだけの話だよ