皆にはできて、私だけできないことなんかたくさんある。
なんで皆できるんだろう…私は不思議でたまらなかった。
私だけどうしてできないんだろう…
と思いながら泣いた夜もあった。
でも皆は優しかった。
そんな私をいじめず、遠巻きに見るわけでもない。
私ができなかったら皆が助けてくれる。
だから安心して挑戦ができる。
「私だけ」
あれは、夏だった。暑かった。
空はきれいな青空で蝉の鳴き声がやけにうるさかったのを覚えている。
目の前の君が「暑いね」と笑顔で語りかけてくれるだけで俺はとてつもなく幸せだった。
幸せが長く続かないのはホントらしい。
事故だったそうだ。相手が飲酒運転をしていて彼女が轢かれた。
俺は周りの奴らが騒ぐまで知らなかった。
彼女はもう帰ってこないことを知った。
俺を一番可愛がってくれた彼女。
そんな彼女を愛していた家族。
俺は悲しかった。もうあの笑顔は見れないのか…
あれはもう遠い日の記憶。
彼女の妹が涙を流しながら俺を見ている。
俺はやっと彼女のところに行けるんだ…
最後まで俺の面倒見てくれて…
「にゃーん…」
ありがとな。
「遠い日の記憶」
「これまでずっと黙っていたけど、実は俺…浮気してるんだ…」
そんなことを言われて私は怒りすらおこらなかった。
「じゃあ離婚でいい?」
そう言うと彼の顔はみるみる青くなっていく。
「それだけは嫌だ!」
「じゃあなんで浮気してること言ったの?離婚したいからじゃないの?」
「…」
彼は何も答えない。だから私から離婚を持ちかけた。
「これまでずっと黙っていたけど…」
「これまでずっと」
『別れようか』
そんなLINEが来たのは私が
『浮気してるでしょ』
って言ったから。
別れる理由ってことは浮気相手のほうが本気なんでしょ?
なんか悔しいなぁ…
ふう…もう…いいか…
『いいよ、別れよう。』
でも、彼は知らない…
浮気相手が私の妹だってことに。
『一件のLINE』
繊細な花
繊細だとよく言われる。
繊細ってなんだろう…