あれは、夏だった。暑かった。
空はきれいな青空で蝉の鳴き声がやけにうるさかったのを覚えている。
目の前の君が「暑いね」と笑顔で語りかけてくれるだけで俺はとてつもなく幸せだった。
幸せが長く続かないのはホントらしい。
事故だったそうだ。相手が飲酒運転をしていて彼女が轢かれた。
俺は周りの奴らが騒ぐまで知らなかった。
彼女はもう帰ってこないことを知った。
俺を一番可愛がってくれた彼女。
そんな彼女を愛していた家族。
俺は悲しかった。もうあの笑顔は見れないのか…
あれはもう遠い日の記憶。
彼女の妹が涙を流しながら俺を見ている。
俺はやっと彼女のところに行けるんだ…
最後まで俺の面倒見てくれて…
「にゃーん…」
ありがとな。
「遠い日の記憶」
7/17/2023, 10:14:48 AM