夏にしか会えない人がいた
会うたびに変化していった

気さくな明るい雰囲気から
無口で表情がなくなっていた
心身や環境に異変があったのだろう
尋ねてみても無言の笑みを浮かべるだけ

いつしか夏すらも会えなくなった
人づてに聞いたが
職場が原因の心の病になったそうだ

あの変化はそれだったのか
今更気付いた

今は元気になったらしいが
心の病はあそこまで人を変えるのか
底知れぬ恐怖を覚えた

いつか元気な姿で8月、君に会いたい

以前SNSを勧められた
試しにアカウントを見せてもらった
友人たちとの食事会
遠方の旅行など
そこにはキラキラした日常が綴られていた

あまりの眩しさに
自分には無理だと確信した

興味は無かったが
チケットをもらったので
サッカーの試合に行った

ルールも詳しくないし
選手の名前もほとんど知らない
楽しめる気がしなかった

しかし、選手やサポーターたちの熱い鼓動を聞くと
興奮や感動が抑えきれなかった

やはりスポーツは見る人を魅力する力がある

ずっと音沙汰がなかった海外の友人から連絡が来た

思いがけない知らせに
驚いたと同時に感激した
自分のことを覚えていてくれた
そのことが嬉しかった

日本から帰国して以来ずっと多忙らしい
海外出身とは思えぬ完璧な日本語で教えてくれた

日本に来るタイミングはなかなか難しいだろう
だが、いつか再会するかもしれない日の為に
友人の母国語を少しでも覚えたい

虹のはじまりを探して
雨上がりの空をドライブする
儚い虹はあっという間に消えた

虹が出るのも珍しいが
地上に到達する虹はほとんど見ることはない

昔いた近所の猫は
ちゃんと渡れただろうか