街の明かりのように明るい笑顔で笑う明音が大好きだった。ごめんね。明音大好きだよ。
俺もできれば明音と一緒にたくさんの思い出を作りたかったんだ。明音も一緒でしょ?
俺は明音に出会えて心から幸せでした。もう後悔することなんてなにもない。君に出会えたことが何よりの幸せで、他のものなんてなんにもいらなかったんだ。今俺は君のように笑えているだろうか。
君と出会ったのは去年の春だったね。あの日はちょうど病院に行く日だったんだ。
まさか、余命宣告されるなんて思いもしなかったけど。笑
医者から言われたのはたったの一言だった。
「優斗くん。君に残された命はあと長くて一年です。」
母さんはぼろぼろ泣いていた。
「嘘ですよね、、、、っ?どうしてそんな急に、、、」
「再発ですね。知らない間にストレスや疲労が溜まっていたんでしょう。」
いつも冷静な父さんでさえ
「優斗が、、、再発って、、、この子はまだ高校生ですよ?!そんな、、、、、」
「落ち着いてください。確かに自分の子供があと余命一年なんて信じられないかもしれません。もしかしたらドナーが見つかることもなくはないんです。まだ希望は捨てないでください。」
「父さん、母さん。迷惑かけるから行くよ、、、、っ!」
「優斗くん。どうか希望を捨てないでね。ドナーが見つかることを信じようね。先生も全力で見つけるから。」
「先生。信じるなんて薄っぺらいことを言うのはやめてください!もういいんです。先生も分かってるんでしょ?ドナーなんてそんな簡単に見つかるものじゃないって。俺だって分かってる。もう、手術なんてできないほど進行しているんでしょ?余命一年なんて手の施しようがないぐらいの時間なんだって分かってる。希望を持たせるようなことを言わないでください。見つけたって手術できないんじゃ意味がないでしょ?もう俺はいいんです。」
「そんなこと言わずに。まだ自分が生きられる未来を諦めないでね。優斗くん。」
「未来?未来がないから余命宣告されたんでしょ?いつまで夢を見ているの?」
「君が信じなかったらあるかもしれない未来もなくなるかもしれないよ?」
「ふはっ笑なに言ってんの?笑現実を見てよ先生!余命宣告してからの夢みたいな発言誰が信じると思う?なにがあるかもしれない未来だよ!!ねえから一年しか生きられないんだろ。もう俺は子供じゃない。生まれた時から病気と向き合ってきたんだよ。一年なんて救いようがないことくらい分かってる。俺を馬鹿にしないでもらえますか?子供みたいなこと言わないでくださいよ笑」
「君は強いね。だけどどうか希望を捨てないでほしいんだ。たとえ0.1%でもそれに賭けてほしいんだ。先生だって全力を尽くすから。一緒に頑張ろうね優斗くん。」
「もういいです。勝手に言っておいてください。それでは。」
「母さん、、、!父さんは?」
「少し、、、外の空気を、、吸ってくるって、、、、、、、ニコッ」
そんな顔で笑わないでよ。どうして、すべてを諦めたような顔をするの?俺を安心させたいから作り笑いをするの?
「そっか。ねえ、母さん。俺は母さんに心から笑っていてほしいよ。ニコッ」
でも俺だってきっと自然には笑えていないんだろう。母さんと同じだ。
「優斗は優しい子ね。笑でも大丈夫よ。病気なんてお母さんが吹き飛ばしてあげるからね。大丈夫よ。大丈夫。優斗はなんにも心配しなくていいのよ。」
きっと母さんにはバレていないだろう。俺が浮かべた笑顔が引きつっていることを。なにが大丈夫なんだろう?母さんは神様かなにかなの?そういう考えをしてしまう自分が大嫌いだ。
次の日。
あぁ、また朝か。毎日毎日同じことの繰り返し。
「おはよう。母さん。父さん。ニコッ」
「あら、優斗。早いじゃない。学校に行くんじゃないんだから寝てていいのよ?笑」
「学校行くよ?ニコッ」
「早いじゃないか優斗。体調は大丈夫か?」
「うん。大丈夫。ニコッ」
「じゃあ父さん先出るからな!あまり無理はするんじゃないぞ!行ってきます。」
「無理しないよ。行ってらっしゃい!ニコッ」
「優斗。お母さんももう行くわね!少しでもおかしいと思ったら先生に言いなさい?そしたらお母さんすぐ迎えに行くからね笑」
「行ってらっしゃい!ニコッ」
朝ご飯を食べながら今日も思う。なんで両親に心から笑うことができないんだろう?もちろん大好きだし感謝もしてる。なのにどうして作り笑いをしてしまうんだろう。
そんなときスマホがなった。
「今日もまじ朝から親うるさいんだけど〜うざっ」
「うざとか言うな笑」
「俺の親は朝から過保護すぎるwなになに持った?弁当は?ってw確認してるっつーのw」
俺も一応なんか言っておこう。
「俺の親も朝から過保護だよw」
「優斗んちも?w」
「そうそうw」
「過保護すぎてもあれだし無関心っていうのもあれだよなあw」
「ほんとだよねw」
毎朝クラスのグループラインが鳴るのだ。
というかやばい。もうこんな時間だ!早く行かないと!
「おはよう!」
「優斗おっせぇよw」
「いやいやwお前らが朝からラインしてっからだろwどう考えても笑」
寝ます!また後で書きます!さよ~なら~
あの日君と見たあの星空をもう一度。
軽快なステップで地面を踏んだあの頃の私たち。だけどお互いに分かっていたんだ。もう会えないかもしれないと。
「ごめん、、!ごめん!」
「いやだよぉ、、、」
「きっとまた会えるよ!僕が運命の赤い糸で手繰り寄せてあげる!」
「運命の赤い糸ってなぁに?」
「ふふっ内緒!」
「転校しないでよぉ、、」
「大人になったらまた会おうね!絶対だよ!」
「ゆびきりげんまんしよ?」
「ゆびきりげんまん嘘ついたら針千本のーます指切った!」
「また会おうね!夏希!」
「またね!真奈!」
後で書きます!さよ~なら~
神様だけが知っていることってなんだろう?
天国に行くか地獄に行くかとか?
じゃあ、天国か地獄か決めるのは本当に神様なのか?そりゃあ天国か地獄か決めるのは神様だけれど、どのように決めると思う?私は自分の行動次第だと思う。いいことをしていれば天国に行くし、悪いことをしていれば地獄に行く。そこから分かることが一つある。いいことをするか悪いことをするかは自分次第で、自分が決める。そしたら天国に行くか地獄に行くかは自分が決めるものでもあると思う。
でもきっと、人間だから人を傷つけたり、悲しませたりすることだって一度や二度あると思うんだ。だから、それを直したり、それよりももっともっといいことをすることのほうが大事だと思う。
自分で犯した罪は自分で償う。自分の行動で人の考えを変えられるような生き方を私はしたい。
この道の先になにがあるんだろう?
人の人生はトンネルのようなものだと思っている。
先のことなんて全然わからない。この真っ暗なトンネルの中を抜けたらなにがあるんだろう。
俺は先のことは分からないのに、分からないことを考えて時間を使ってしまうのだ。だけど、ある男子と出会って俺の人生は変わった。今を考えられるようになった。今、目の前でなにが起きているのか。今、どのような課題があるのか。それを考えることの大切さを教えてくれた。
これはあまり長くはないけれど、誰よりも幸せな時間を送ったあいつと俺の物語。
突然目の前に現れ、手を差し伸べてきたのは一人の男子だった。
「誰?」
「ねえ、大丈夫?体調でも悪いの?」
「誰?」
「ふふっ笑俺は坂倉勇輝だよ!よろしくね。」
「仲良くしてくれるん?」
「え、なんで?仲良くしようよ!」
「ふへっ笑ありがと。」
「どういたしまして!〇〇中学?それより名前は?年齢は?」
「質問攻めすんなや笑〇〇中学。名前は西川明都。中2。」
「お〜!学校も年齢も一緒だ!」
「というか俺ら喋ってていいん?時間やばいで。」
「あっ汗やばっ!急ご!」
「はいはい笑というか勇輝初めて見たんだけど〜!!」
「そりゃそうよ!転校生だもん!」
「陽キャなんやね笑」
「イエス!」
「殺すぞ陽キャ!笑」
「ありがとう!(?)」
「おはようございます、、、(ボソッ)」
「うわ、来たよ人殺しボソッ」
「いやまじやばいよねボソッ」
ごめんなさい!寝ます!また後で書きます!最近天国までの49日間シリーズにハマってる!図書室で借りて読んでるよ!めっちゃおもろいし、榊がイケメンすぎるんよ。かっこよ。
窓越しに見えるのは彼だった。間違いなく彼だった。
いや、でも、なんで?彼はたしかに死んだはず。私は見た。あの時確実に彼が目の前から一瞬にしていなくなった時を私の目で見たんだ。
後で書きます