「僕と一緒に」
私には11歳年が離れた弟がいる。
昔はなんでも「一緒に」って言われた。
ゲームも勉強も、お菓子作りも。
弟ができないことを、私が手伝って、
一緒にやるのが当たり前だった。
今はもう大きくなったから言われなくなったな。
ちょっと寂しいけど、
弟がどんどん大きくなるのを、
少し離れた場所から見守れるのも案外心地いいのだ。
そうやって弟の成長速度に感動すると同時に、
私は自分の老いを感じて別の意味で涙が出るな。
「claudy」
今日は曇ってたね。
天気に左右されたかのように私も今日は落ち込み気味。
そんな日は誰にだってある。
だって、誰の心にも弱虫な自分はいるもんね。
曇り空があるから、晴れた日は綺麗に見えるのだ。
「虹の架け橋」
これはもう10年以上前の運動会の話。
6年生が組体操で、
今じゃ珍しい全員ピラミッドを披露していた。
ちょうどてっぺんの人が立った時に、
越えて〜越えて〜越えて〜
ってゆずの「虹」って曲が流れてきた。
あの時の感動を今でも忘れられない。
人が集まるとこんなにデカいものになるんだ!
って子供ながらに感じてた。
虹は一粒の雨じゃできない。
無数の雨粒が集まって、大きな虹が生まれる。
それはきっと私たち人間も同じなのだ。
一人で完璧じゃなくてもいい。
小さいままでもいい。
一人じゃ小さいけどみんな集まれば虹になる。
まあでも別に、一粒のままでも悪くないんだよね。
だって虹になれなくても、キラって光る一滴なら
それはそれで綺麗だよね。
ゆずの虹、いい曲だからみんなも聞いてみてね
ん?架け橋どこ行った?
「既読がつかないメッセージ」
既読がつかないメッセージは、
スマホの中で冬眠しているクマだ。
春がいつ来るかどうかは神のみぞ知る。
だからこっちはこたつでみかんでも食べとけばいいのだ。
「秋色」
困った季節が今年もやって来た。
何でもかんでも秋のせいにして、
怠けられる時期がやって来た。
食欲の秋だから食べすぎても仕方ない。
読書の秋だからゴロゴロしてても仕方ない。
夜長の秋だから眠くても仕方ない。
そう考えているうちに気づく。
春は新生活でバタバタだから、休んでもいい。
夏は暑いから、省エネモードで過ごしていい。
冬は寒いから、布団の中でじっとしててもいい。
つまり、どの季節も怠けていいのである。
怠けるのに、本当は理由なんていらない。
怠け者がいたって世界はちゃんと回る。
だから人生、怠けてなんぼなのだ。