10/17/2022, 3:26:22 PM
「ごめんなさい、やっぱり付き合えない」
一方的に別れを告げるのはこれで何度目だろう。
遠距離だった彼と別れて半年が経った。
私を大切にしてくれてはいたけれど、都会色に染まっていった彼とはいつしかすれ違いが多くなって。
最終的に不安に押しつぶされた私の負けだった。
“忘れるためには次の恋!”
半ばヤケクソみたいな感じでもあったけど、出会った人達との駆け引きは楽しかった。
相手の気持ちが私に向いている事がわかったときの高揚感はたまらなかった。
だけど。
いざ手に入ると。
“ナニカガチガウ”
満たされない。よくわからない違和感。
このままで本当にいいの?
傷が浅いうちに終わりにするほうが、お互いのためじゃない?
戸惑う相手に申し訳なさと心苦しさを感じながら、ふと気付く。
強制的に上書きしようとしたって、うまくいくはずなんてないんだ。
無意識に彼と比べてる以上は、無理なんだ。
忘れることなんてできないんだ。
この未練のかたまりを、ちゃんと終わりにしないと・・・
「もしもし?あのね、私・・・」
10/16/2022, 3:42:07 PM
今日は何する?
ノープランで会うことは、私達にとって大して珍しくない。
「暖かいし、川辺に行こうか」
なんとなく、その日の気分で決まる行き先。
確かに今日は暖かい。
桜の花も5分咲といったところか。
土手には菜の花も揺れている。
草むらの上に並んで腰をおろす。
今日はジーンズだからへっちゃらだ。
頭の上には桜の花
川のせせらぎ
菜の花の甘い香り
気付けば貴方は横になって、私の膝に頭をのせて。
陽だまりの中、時が止まったような気がした。
穏やかな、平凡な、幸せな時間。
あと数日したら、私達は離ればなれ。
新しい旅立ちまでの優しい日々。
20年経った今でも思い出す。
桜色の、やわらかな光。