12/13/2022, 5:17:29 PM
自分は何人もの人やいくつものものを愛してきました。美しく舞い降りた天使、儚くちった翼。醜く憐れな悪魔、欠け落ちた角。誰がどれだけ嫌おうと自分は自分が美しいと思うものを愛しました。
しかし、それが自分の本心なのか分からなくなってきてしまいました。多くのものを愛すれば愛するほど、分からなくなるのです。自分が美しく感じるものはありにも多すぎたのです。全てのものを愛そうとしても、足りないのです。愛が、足りないのです。
自分はある日、少年に出会いました。と言ってもその少年はやせ細っていたので正確な性別は分からなかったのですが、とても醜い子でした。ですが、あの目。あの目だけは確かに美しかった。自分は、あの目を見た時からこの少年を愛そうと思いました。
だが、大変だ。愛が足りなくなってしまったのです。自分にはもう少年を包むほどの愛がないのです。自分はひどく悩みました。この少年を愛したい。この美しい目を愛したい。でも愛が、足りない。
そうだ。少年の目だけを愛せばいいのだ。自分が感じる美しいものだけでいいのだ。そして自分は少年の目をくり抜きました。
自分は気づいたのです、愛には限りがあるのだと。際限なく愛することはあまりにも傲慢だと。だから自分は愛を見失っていたのです。愛を注ぐものはちゃんと選ばなければいけませんね。
やっぱりこの目は美しい。