『霜降る朝』
冬になると寒くなる
冷たくなる
朝になると暖かいのが冷たくなって
白い霧みたいになる
霜が世界にカーテンのように
降る
綺麗だけど冷たい
体を冷やさないようにね
『手放した時間』
時間がすぎてく
早いね
時間が止まる
遅いね
でも…手離したくないね
大事にしたいね
でもできないね
だから私は時間を進めるために
手を離す
止まった時間を手放して
針を進める
『紅の記憶』
紅と言えば秋、赤、黄色…
全部綺麗だよね
だけど、日が過ぎ去るほど
そんな色が減ってくる
秋も過ぎ始める
あの子は何してるんだろう?
あいつは今元気にしてるかな…とか
思うこともあるかもしれないね
『またね』、『また会おうね』って
そんな時期で最後の挨拶
それが秋の色になって残る
それが記憶として残らなくても残っても
それはずっと残り続けるよ
『夢の断片』
『夢って何?』
とある少女が私にそんなことを聞いてきた
私はその子を知らないしその子も私を知らない
『夢ってのは…叶えたいものかな』
多分違う意味だったかもしれない
もしそうだとしたら私は何を言ってるのだろう
『夢って眠る時に見るものじゃないの?』
そっちの意味だったようだ
完全に違う、悪夢などを意味する方だった
『それは…多分そうかもね』
誤魔化すことしか出来ない
私にとっての夢は欠片でしかないから
『…じゃあ夢の〈欠片〉はなんて言うの?』
分からない、夢の…なんだろう
断片?それとも欠片のまま?
どちらも意味的に変わりは無い
だから、彼女に一言教えてあげたの
多分それは…
『夢の断片だと思うよ』
『子猫』
近くから[ミャーァ]と猫の鳴き声がする
その日は、猫がお散歩してるだけかと思って
気にしてなかった
次の日、同じ道を通ったらまた[ミャーァ]と鳴き声が聞こえた
立ち止まって辺りを見渡してみる
すると、白い子猫が私の足元でスリスリしながら
鳴いてたみたい
優しく白い子猫の頭を撫でてあげたら安心した
のか
また[ミャーァ]と鳴いて[来て]って言ってるみたいに聞こえた
その子猫の後をついて行くと
小さいダンボール箱が1つあって中には
2、3匹丸まって暖まりあってた
相当、外に捨てられてから放置されてたんだろうな
と心が少し痛んだ
だから、私はその子猫たちを保護して
ペットとして飼うことにした
それからその子猫たちは、家でやんちゃにはしゃぎ回ったり甘えたりして癒しになりながらも幸せに
暮らしている